【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第9ステージ】ナポリにはサスペンスがよく似合う。休息日前夜の荒れたフィニッシュで、コーイが初出場1勝目。「即興的に動いた。ちょっとしたギャンブルでもあった」
3年連続でナポリはカオスに陥り、スピードとスリルの果てに、スプリンターがアタッカーをねじ伏せた。大会1回目の休息日を前に、ピンクのタデイ・ポガチャルさえ発射台役を務め大ハッスル。最後はチクラミーノのジョナサン・ミランとのタイマンに競り勝ち、オラフ・コーイが初めての栄光をもぎ取った。
「本当にスペシャルだ。ここ数年すでに大きなレースをいくつか勝ってきたから、僕にとって次のステップは、グランツールのステージ優勝だった。しかも初めてのグランツールで成し遂げられたなんて、まさしく夢が叶った」(コーイ)
200kmを超える長い1日は、なにも最初から騒がしかったわけではない。スタートと同時にミルコ・マエストリとアンドレア・ピエトロボン、つまりポルティ・コメタの2人組が勢い良く駆け出していくと、スプリンターチームは大急ぎでプロトンの蓋を閉めた。その後も複数チームが小さな突撃を試みたが、10kmほど走った先で、さざなみも完全におさまった。幸いにもお天気は良好で、序盤170kmには悩ましい難所もない。アルペシン・ドゥクーニンクやリドル・トレックが淡々としたリズムを刻み、しばらくは平和な時間が流れた。
おかげでマエストリはインテルジロ1位通過で、休息日明けの第10ステージを緑色のゼッケンで走る権利を得た。ピエトロボンはこの日だけで186kmも逃げ、フーガ賞では通算332kmの堂々首位へとジャンプアップ。もちろんスプリンターチームは、完全に手綱を緩めたわけでもない。ポルティ・コメタのタンデムには最大でも3分45秒しかリードを許さず、大部分の時間帯は1~2分差で前を泳がせておいた。
また道の途中では、マリア・チクラミーノ用のポイント収集のためにもがくことも忘れなかった。ただ第1中間ポイントではほぼ全員がスプリントに参加したのに対して、フィニッシュまで55.5km地点のインテルジロでは、カーデン・グローブス擁するアルペシンボーイズが猛突進した一方で、コーイとミランは勝負に混ざらなかった。
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