ハイテク優位、揺らぐには市場心理に「衝撃」必要-JPモルガンAM
(ブルームバーグ): 市場が2022年のような弱気相場に見舞われない限り、大型テクノロジー株による米国株市場への桁外れの影響力は続くだろうと、JPモルガン・アセット・マネジメントの主任グローバル市場ストラテジスト、デービッド・ケリー氏が予想した。
同氏はウォール街の他のストラテジストと共に、S&P500種株価指数構成企業の利益成長が年末までにハイテク大手以外にも広がると予想しているが、ハイテクメガキャップと他の銘柄の大きな業績格差を埋めるのに十分ではないだろうとみている。
つまり、2024年の相場上昇をけん引してきたハイテク株への資金流入を頓挫させるには、市場心理への極端な打撃が必要だということだと、ケリー氏は分析した。例えば、2年前にはハイテク株が米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な引き締めから打撃を受け市場全体以上に低迷した。
「次の弱気相場が来たときには、2022年にそうだったように、最も飛ぶ鳥を落とす勢いの銘柄が最もたたかれることになると思う」とケリー氏はインタビューで語った。「資金配分という点で現在のパターンを破壊するためには、市場心理に衝撃を与える必要がある」と指摘した。
S&P500種構成銘柄のうち、大手ハイテク株は利益の伸びが鈍化し、残りの銘柄は加速すると多くのアナリストは予想している。
ケリー氏は、収益格差の縮小は人工知能(AI)を巡る熱狂をすぐに冷ますには十分ではないとみる。「市場を動かしているのはモメンタム心理だと思う。特定のテーマがある場合、そのテーマの中のほんの一部の銘柄に資金が集まるようで、収益の分布がゆっくりと変化しても市場や投資家心理にはあまり影響しない」とケリー氏は語った。
今のところ、モメンタムが弱まる兆候はほとんどない。投資家は総じて米経済のソフトランディングを予想している。ケリー氏は、「退屈な」背景だと述べ、「退屈なことは市場にとって非常に良いことだ」と付け加えた。