“時速約1,200km、夢の移動カプセル”が浮遊テストに成功(時速約29kmで)
ハイパーループ。一時期よく耳にしましたが、最近はとんとご無沙汰だったような気がします。大きなチューブの中の空気を減圧して、その中を音速に近いスピード(時速約1,200km)で人や貨物の入ったカプセルを移動させる次世代交通システム、なんてやっぱりSFすぎたよね? 無理なんだよね? と思いきや、少しずつ実現に近づいています。 ハイパーループを夢見る会社はいくつかありますが、そのうちの1つHardt Hyperloopが、移動に使うカプセルのチューブない浮遊に成功したと報じられました。
音速で移動は、していない
テストが行なわれたのはオランダにあるハイパーループ施設European Hyperloop Test Centre。センターの地下を走る420mのチューブ内をカプセルが浮遊、移動しました。 ネタ元のAPの取材に、Hardt HyperloopエンジニアリングディレクターのMarinus van der Meijs氏はこう答えています。「今日のテスト初成功で、車両を浮かせ、誘導システムと推進システムを起動させることができました」 次世代交通システムのハイパーループは、ほぼ音速で移動できるのがウリでありゴール。しかし、今回の実験は時速18マイル(時速約29km)での走行であり、電車としてもゆっくりモード。カプセルには人も乗っていません。つまり、今回のテスト成功は、チューブ(トンネル)の中をカプセルが移動したというだけのこと。 商業ディレクターのRoel van de Pas氏はこう語っています。「移動システムとしてのハイパーループの実現には、複雑なパズルを組み合わせる必要があり、それには技術が必要であり、それには規約が必要であり、さらにそれには公的機関と民間の協力が必要になります」
実現までの道のりはハードモード
ハイパーループの開発、ひいては実現は簡単なものではありません。業界を一歩リードしていたHyperloop Oneは、何年もの努力の末、昨年に解体。ここ数年の資金繰りがプロジェクト断念の主な理由でした。 一方で、中国では実現に非常に近いところまで開発が進んでいます。これは、Roel van de Pas氏のいう、「公的機関と民間との協力」がモロに影響しているのかもしれません。 ハイパーループというと、イーロン・マスク氏を連想する人は少なくありません。これは、彼がハイパーループ構想を広めた人物だから(マスク氏が思いついたアイディアと言われることもありますが、正しくは彼は世に広めただけ)。そのマスク氏ですら、最近はあまりハイパーループや受胎解消トンネルの話はしていません。
そうこ