明日海りお「少しくすんだニュアンスのある青を着ていると、心が穏やかになる」[FRaU]
ちょうど1年前のこと。明日海りおさんに、「日々の暮らしの中で、“ほんもの”を感じる瞬間」というテーマでインタビューをしたとき、明日海さんは「ステージに立っている時間」と答えました。結局、自分が“ほんとうに生きている”ことを実感できるのは、ステージ上で、観客と対峙しているときなのだと。 たしかに、明日海さんのステージでは、あらゆる制約から解放されて、自由になっていく人間の輝きを目撃することができます。かつて、歌姫マリア・カラスは、「(表現に必要なのは)修練と勇気、あとは全部ゴミ」と語ったといいますが、人の心を揺さぶることのできる表現者たちは、それぞれが最も輝ける場所に、エネルギーの全てを注ぎます。 ●情報は、FRaU2024年6月号発売時点のものです。
白は、感情をジャンプさせてくれる色
「白を着ると、気持ちが新しくなっていく感じがする。イベントなどで、普段選ばないような白の服を着ると、気持ちにハリが出て、うまく回っていくことが多い。私にとって白は、感情をジャンプさせてくれる色なんだと思います」
洋服だけでなく、風や光を身に纏ったとき、心はどう動くのか。1年前のFRaU本誌の撮影では、明日海さんにマニッシュとフェミニンという二つのジャンルの美を演じ分けてもらったが、今回の撮影テーマは「動感」。 明日海さんの洗練されたポージングが、フォトグラファーやスタッフからの「素敵!」「キレイ!」などという言葉によって、さらにその表情を、豊かに躍動させていく。とくに、白のシースルーのジャケットを身につけた明日海さんは、真珠のような柔らかい光に包まれ、神々しい存在感を放っていた。 「白のジャケットは、着ていたときも何か不思議なパワーを感じていました。私自身、白を着ると、気持ちが新しくなる感じがするんです。新しい一歩を踏み出すような、新鮮な気分になれる。今日も撮影中に、モニターを見ている方達の、『わー』っていう言葉にならないため息のようなものが聞こえて、そのたびに私の心も、『はっ』としました」