〔東京外為〕ドル、152円台後半=「タカ派」な展望リポートで(31日午後3時)
31日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日銀の展望リポートが「タカ派と受け止められた」(国内銀行)ことでドル売り・円買いが強まり、1ドル=152円台後半に下落している。午後3時現在は、152円84~84銭と前日(午後5時、153円33~33銭)比49銭のドル安・円高。 午前は月末に伴う輸入企業による買いが入り、仲値公示にかけて153円50銭台に上昇。その後は日銀決定会合の結果公表を控えて、同水準で推移した。正午前に会合結果が公表されると、直後はわずかに上下した程度だったが、正午すぎから売りが強まり、153円前後に水準を切り下げた。 午後は日経平均株価の下落を背景に、リスク回避のドル売り・円買いが優勢となり、152円80銭台に軟化。その後は、植田日銀総裁の会見を控えた持ち高調整のドル買いや日経平均が持ち直したことに支援され、152円90銭前後に値を戻している。 市場では、日銀展望リポートの物価見通しで「2025年度は上振れリスクの方が大きいという文章をややタカ派的と捉えられたようだ」(資産運用会社)との見方が多い。「ハト派的な内容を予想して、ポジションを持っていた市場参加者がいた」(先の国内銀行)ことも、ドル円を下押したとみられる。目先は、午後3時半からの植田総裁会見に注目が集まる。市場関係者は「『時間的余裕がある』という表現を維持するか、変更するかに注目したい」(FX会社)といい、「植田総裁がハト派姿勢を示せば、直近の高値である153円80銭台を上抜けて上昇する」(先の国内銀行)との声が聞かれた。 ユーロは正午に比べ対円で下落、対ドルで横ばい。午後3時現在、1ユーロ=165円85~85銭(前日午後5時、165円89~91銭)、対ドルでは1.0851~0851ドル(同1.0820~0822ドル)。