〔東京外為〕ドル、152円台前半=「時間的余裕ある」不要と発言(31日午後5時)
31日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、植田日銀総裁が、今後の利上げ判断について「時間的余裕ある」との表現は不要と発言したことなどを受け、1ドル=152円台前半に下落した。午後5時現在は、152円22~22銭と前日(午後5時、153円33~33銭)比1円11銭の大幅ドル安・円高。 午前は実需の買いが入り、仲値公示にかけて153円50銭台に上昇。買い一巡後は、日銀決定会合の結果公表を前に、様子見ムードが広がった。正午前に結果が公表されると、直後はやや上下した程度だったものの、正午すぎから売りが優勢となった。 午後は日経平均株価の下落を受けたリスクオフのドル売り・円買いで152円80銭台に下落。その後は、日経平均の持ち直しなどに支援されやや値を戻したが、調整売りなども見られ152円80銭台で推移。午後3時半から始まった会見で植田総裁が追加利上げまでに「『時間的余裕ある』との表現不要」などと発言したことで、売りが加速し、152円近辺まで急落。売り一巡後は、買い戻され、152円20~40銭台で推移した。 日銀は政策金利を据え置き、利上げ継続方針を表明。市場では、「展望リポートの内容が、ややタカ派的と捉えられた」(資産運用会社)とされ、売りが優勢となった。 植田総裁の会見内容について、「タカ派的な発言があったが、利上げ時期を明確に示したわけではないため、会見後は買い戻す動きも見られた」(国内銀行)とされ、「全体としては、前回会合に比べてハト派的ではなくなった印象」(同)との声が聞かれた。ドル円は「日銀要因でドル高・円安が進みにくくなった」(同)との指摘もあった。 ユーロは対円で下落、対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=165円31~33銭(前日午後5時、165円89~91銭)、対ドルでは1.0858~0859ドル(同1.0820~0822ドル)。