急速充填用タンク実装…清水建設、水素エネ利用拡大へ実証開始
清水建設は3日、自社のイノベーション拠点「温故創新の森 NOVARE」(東京都江東区)で水素エネルギーの利用拡大に向けた実証運用を始めたと発表した。敷地外から受け入れた水素を水素吸蔵合金タンクに貯蔵し、必要時には電力に変換して消費エネルギーの脱炭素化を促す。2024年度は山梨県米倉山の「グリーン水素製造サイト」から水素ガスを受け入れ、NOVAREを構成する施設4棟の電力エネルギー源として活用する計画だ。 外部から持ち込んだ水素を短時間で取り込める、急速充填用水素吸蔵合金タンクを開発。オンサイト・オフサイト双方からの水素供給に対応できる新システム「Hydro Q―BiC TriCE」を構築し、NOVAREに実装した。 Hydro Q―BiC TriCEの水素貯蔵設備は、容量200ノルマル立方メートルの標準型タンクと容量250ノルマル立方メートルの急速充填型タンクで構成。急速充填型タンクには反応性の高い除熱機構を組み込んでおり、熱媒がタンク内の合金を冷却することで水素吸蔵が促進される。 外部からの水素輸送には水素カードル車を利用し、1回当たり最大250ノルマル立方メートルの水素をカードル車から受け入れる。カードル車の入場から退場までの所要時間は2時間以内を見込んでいる。