「ハラスメントのない職場環境を」生協のスーパーでパート女性自死、和解成立で遺族側が会見
「生協としての理念取り戻して」
会見で、川岸弁護士は和解に関して、生協という組織のあり方と絡めつつ、次のように述べた。 「今回、亡くなってしまった女性は、長く生協で働いていた方です。 生協という組織は本来、お互いを助け合い、人格を尊重する組織であり、ハラスメント対策に親和性のある組織だと、われわれは思っています。 そうした中で、今回ユーコープ側は、正義にのっとった和解をし、和解内容についても、口外禁止の条項をつけず社会的に公表・約束しました。 この和解によって、生協としての理念を取り戻すことを願っています」
「出社を止められなかった責任感じる」
また、この日会見に出席した女性の夫は、ユーコープ側に対して「合意内容をしっかり実施し、ハラスメントのない職場環境を作ってほしい。今後も報告を受け、見守っていきたい」とコメント。 続けて、自身の今後について次のように述べた。 「私たち家族にとって、今回の和解は、ゴールではなく一歩前進できるスタートであり、残された家族の止まっていた時間が、少し動き出すのではないかと思います。 私自身、彼女の出社を止められなかったという責任を感じていますから、今後は、同様の被害者が生まれないよう、何かしらの活動を手伝い、責任を果たしたいです。 人と人が接触する職場では、ハラスメントはなくなりづらいと思います。ですので、ハラスメントをゼロにするための対策ではなく、ゼロにするための努力をする、そういう活動が大切ではないでしょうか。 今後もハラスメントがなくなるとは思っていませんが、被害者遺族である自分自身が経験を語り、それが世の人の目に留まることで、仕事でのハラスメントに対する考え方や、家族とのコミュニケーションの取り方が良い方向に向かえばと思います」
弁護士JP編集部