加給年金の子ども加算が増額。一方で配偶者加給年金は縮小か【申請しないともらえないお金たち】
2024年度に5年に一度の年金制度の財政検証が行われ、2025年度の年金制度見直しに向けてさまざまな検討がなされました。 ◆【一覧表】配偶者の加給年金はいくら?最大40万8100円になるケースも 見直しを検討されている制度の1つが、一定要件を満たす配偶者や子どもについての加給年金です。 本記事では、年金事務所で相談員を行う筆者が、老齢年金の加給年金の見直しについて解説します。 加入年金の申請や見直しの方向性についても紹介しますので、老後の資金計画を立てるときの参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
申請しないともらえない加給年金
加給年金は申請しないともらえないため、申請漏れがないように注意が必要です。 最初に、加給年金の概要と申請方法について解説します。 ●加給年金とは 加給年金とは、「厚生年金に20年以上加入(共済加入期間も含む)」していた人が「65歳になったとき」、「所定の要件を満たす配偶者や子ども」がいる場合、老齢厚生年金に加算される年金のことです。 加算される年金年額は、次の通りです。 ●加給年金の金額 ※加算額は毎年4月に更改されます。 ・配偶者(配偶者加給):最大40万8100円(1943年4月2日以降生まれ) ・1人目・2人目の子ども(子ども加算):23万4800円 ・3人目以降の子ども:7万8300円 対象となるのは、65歳未満で厚生年金加入が20年未満(共済加入期間も含む)の配偶者、または18歳到達した年度の末日(高校卒業時の3月末日)までの子ども、20歳未満で障害等級1級・2級の子どもです。 長年会社員だった人が65歳になったとき、上記要件を満たす配偶者と子どもが2人いれば、最大で87万7700円(=40万8100円+23万4800円×2)が老齢厚生年金に加算されます。 ●加給年金の申請 加給年金の申請は、原則老齢年金請求と同時に行います。 ただし、老齢年金受給開始後に厚生年金加入期間が20年を超えた場合など加給年金の受給権が発生したときは、受給権発生時に請求します。 申請先は原則日本年金機構ですが、共済年金に長期間加入し老齢共済年金を受給する人は加入していた共済に加給年金を請求することも可能です。 請求漏れで損をすることがないように、年金事務所などで65歳までに確認しましょう。 ここまでは加給年金の概要や請求について解説しました。次章では、現在検討されている加給年金の見直しの方向性について紹介します。