渡辺雄太・真相激白 八村とホーバス監督確執問題「悪者は一人もいない」/バスケ
パリ五輪のバスケットボール男子日本代表、八村塁(26)=レーカーズ=が日本協会やコーチ人事について批判したことに関し、元NBA選手の渡辺雄太(30)=千葉J=が28日、東京都内で取材に応じ、自身の考えを説明。「悪者は一人もいない」と、一刻も早い沈静化を願った。渡辺は八村とトム・ホーバス代表監督の双方と連絡を取っており、自ら仲裁に乗り出す姿勢で、今回の意見表明についても八村に了解を得ているとした。 ●「関係性はずっとよくなかった」…仲裁に名乗り Bリーグ・オールスターの出場選手発表会見の後、渡辺は報道陣に対応した。質問は受けず、約15分間に渡って、自身の考えを示した。 「あまりにも事が大きくなって、トム(ホーバス監督)に負担がかかるのが嫌だった。僕も代表の一員として責任を持ってこの問題に向き合っていく」と取材に応じた理由を説明し、「ホーバス監督と八村の関係性はずっとよくなかった」と2人の間に確執があることは認めた。 昨季までNBAでプレーした渡辺と八村は同じ米代理人事務所「ワッサーマン」に所属し、気心の知れた間柄。今回自身が発言することは事前に八村へ連絡した。「塁と対立する気はないと伝えて、『大丈夫』と連絡をいただいている」と明かした。 発端は昨年9月。日本がパリ五輪出場権を獲得したW杯後の会見だった。その会見でパリ五輪での八村のメンバー入りの可能性について報道陣から質問されたホーバス氏は、「彼がやりたいんだったら、彼から声をかけていい。やらないんだったら、このメンバーでいいチームを作る自信はある」と答えた。これを報道で知った八村が激怒したという。指揮官の思いも理解している渡辺は「塁がいなくても勝てるチームを作る自信があるというのは、W杯を戦った僕らに対するリスペクト」と背景を説明した。 当時、日本協会は報道陣に監督発言の真意について説明していたが、NBAはシーズン中で競技に集中させるため、米代理人事務所は協会やホーバス監督が八村本人と直接コンタクトすることを遮断していた。渡辺は「悪者は一人もいない」と、ボタンの掛け違いだと強調した。 その上で「僕は、トムは誰よりも日本代表監督にふさわしいと思っています」とホーバス体制を支持。今回の問題でホーバス氏が退任するようなことになれば日本代表が崩壊するとし、「(そんな状態は)許せない」と、いたずらに事態をあおった一部報道などへの怒りを静かに表した。