バンカーからオーナーへ転身した新興時計ブランド【レゼルボワール】CEOのパッションとヴィジョン
コミックにインスピレーションを得た2本。 左「ブレイク&モルティマー “By Jove !!!”」 59万5100円 スペック:自動巻き(キャリバーRSV-240 ※LJP G100ベース)、毎時2万8800振動、約56時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース。直径41.5mm。カーフストラップ。5気圧防水。専用ボックス付属。 右「レゼルボワール×オリーブ・オイル」 87万3400円(予価) スペック:自動巻き(キャリバーRSV-240 ※LJP G100ベース)、毎時2万8800振動、約56時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)。直径39mm。レザーストラップ。専用ボックス付属。世界限定300本。来春発売予定。
2025年は新作の発表本数を厳選する予定
2017年に発表したコレクションの時点で「車」「航空」「マリン」の3つのシリーズを発表していたレゼルボワールは、モロー氏の言う通り多彩なタイムピースを展開してきた。特許取得のレトログラードモジュールを組み込んだムーブメントのベースも、これまでのETA製からラ・ジュー・ペレ製へと移行。専門メーカーであるテロス社と協業し、複雑機構の代名詞であるトゥールビヨンも開発するに至った。さらに同じラ・ジュー・ペレ製ムーブをベースにしたクロノグラフ「ソノマスター」も発表。創業当初からブランドを知る筆者も、今回のインタビューにあたっての事前リサーチで改めてそのコレクションの多さに舌を巻いた。そしてそのいずれもがモロー氏のあらゆる興味の原体験である“メーターの動き”を表現するレトログラード機構を搭載する徹底ぶりだ。
伝説の戦闘機P-51マスタングをオマージュした新作クロノグラフコレクション。秒と日付の2つをレトログラード運針で表示する。 「エアファイト クロノグラフ」 100万6500円 スペック:自動巻き(キャリバーRSV-Bi120 ※LJP L1C0ベース)。毎時2万8800振動、約60時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース。直径43mm。キャンバス&レザーストラップ。NATOストラップ1本付属。5気圧防水。 レトログラードという特殊機構を備えて100万円以下という価格設定は、現代の高級時計界にあってかなり戦略価格と言えるだろう。折しも先日のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリでは、日本の大塚ローテックが同じレトログラード機構を搭載した腕時計でチャレンジ部門のグランプリに輝いたばかり。機械式時計の動きの楽しさが味わえる要注目の特殊機構を、ぜひレゼルボワールで体験してみてはいかがだろうか。
TEXT/Daisuke Suito(WATCHNAVI) PHOTO/Kazuyuki Takahashi(PACO)