1歳娘の成長に違和感 病院に行くと…「治療法はありません」10万人に数人の難病とは
サリちゃんに必要な介助
福山型先天性筋ジストロフィーは筋肉が壊れやすく弱くなる症状のある病気です。食事をするときは、噛む力と飲み込む力が弱いため、サリちゃんのペースに合わせて全介助が必要。 腸はほとんどが筋肉のため、便を押し出す力が弱いサリちゃんは便秘になりやすいといいます。 サリちゃんは体調を崩すと痰が絡みやすく、その度に家族が吸引カテーテルで鼻水と痰を吸引。 さらに福山型先天性筋ジストロフィーという病気の怖いところが、発熱することによって筋肉の中の成分が血液中に溶け出す『横紋筋融解症』になる確率が高いことです。 生活のなかで、感染症に気を使ったり、介助が必要な部分も多いため、大変な面も多々あるのではないかと母親に話を聞くと「親自身がツライツライと思い詰めるのではなく、例えば『痰吸引ってこうやってするのか』と新しい事を知り、体験できることを楽しむようにしています」と、前向きな答えが返ってきました。 その姿勢はしっかりサリちゃんに受け継がれており、東京で療育を受け始めた当初から「いろいろなことに興味があり、好奇心が強いことは大いに訓練の助けになります」と療法士の方に言われたといいます。 新しい訓練でも楽しんでやってみようとチャレンジし、先生方にもお友達にも笑顔で接する努力家なサリちゃん。
SNS発信のきっかけ
サリちゃんが福山型先天性筋ジストロフィーと診断されたその日の夜、両親は泣きながらインターネットで病気について調べたといいます。 そのときに読んだ先輩ママのブログにコメントをすると「今何をしたら喜ぶかどんな表情をしているか、ちゃんと見てあげてね。お子さんの存在自体が不安を和らげるかもしれません」と返信があり、なんだかとっても安心したと母親は振り返ってくれました。 SNSを通して、同じ病気を抱えながらがんばる親子の姿、結婚して妊娠出産を経験している方のインスタグラムなどを見たことで、両親は真っ暗闇の中に光が差し込んだようだったと話します。 サリちゃんの母親は、妊娠初期からインスタグラムに投稿し続けていました。 サリちゃんに診断がおり、しばらくして自分の気持ちの整理がついたころに病気のことを公開するところから始めました。 自分たちがSNSやブログの情報に助けてもらったことを思い返し「これから生まれてくるであろう『後輩※ふくやまっこ』のママたちに『恩送り』ができたらいいな」と現在も投稿を続けているといいます。 そんなサリちゃんの母親のSNSに、病名で検索したパパやママたちからDMが届くことが増えました。 あるママは「診断されてしばらくは公園に行くたびに他の子と比べて落ち込むので、引きこもっていましたが、サリさんがいろいろなところに行き、楽しそうにしている姿を見て勇気を貰い、このままじゃいけないなと思うきっかけになりました」と話してくれたといいます。 また別のママからは「診断されてすぐ暗い気持ちになりましたが、インスタでサリさんを見つけてこっそりとフォローしていました。インターネットで調べても暗い話題しか出てこない中で、元気をもらえました」とサリちゃんの様子に元気づけられた方がたくさんいます。 サリちゃんの母親は、福山型先天性筋ジストロフィーに限らず、障がい児育児にまつわる発信をしているので、ふくやまっこ以外のママと交流できることをありがたく感じているといいます。 ※ふくやまっこ 福山型先天性筋ジストロフィーで闘病する子の愛称