収入も年齢も“対等”がいい――「堅実に幸せをつかみたい」20代婚活最前線 #性のギモン
20代半ばの女性は「結婚をリアルに捉えている」
東京都在住のオサムさん(仮名)はIT企業で働く28歳。相談所で知り合った1つ年下の女性と結婚した。 婚活を始めたのは2022年3月、25歳のとき。それまで付き合っていた彼女と別れたこと、24歳のときに両親が他界し「早めに身を固めたい」と思ったのが理由だ。 マッチングアプリでも活動したが、早々に結婚相談所に移行した。お見合いが成立したのは20人以上、仮交際に進んだのが約10人だという。 「たとえばデート先が混んでタイムスケジュールが押したとき、どうすればリカバリーできるかを一緒に考えてくれる人がいい。共同経営者として“家”を築くのにあたって、冷静に判断できるか、論理的な思考力があるかというのは真剣に見て判断しました」 婚活中にひしと感じたことがあるという。25歳という自分の年齢と近い女性のほうが、30代前後の女性よりも、結婚をずっとリアルに捉えているということだ。 「その若さで相談所に大枚はたいて入会するだけあって、覚悟ができている人が多かった。早々にデリケートな話も突っ込んで聞けたし、彼女たちも結婚に対して変な幻想を抱いていない。子どもも欲しいなと思ってはいるものの、持ったら持ったで責任が増えるし、仕事や住む家の計画も変わってくる。その際にどうしていくかを逆算して話してくださる女性がかなり多かったですね」
相談所での婚活は「就活みたい」 効率的に相手を見つける20代
サトミさん、タクヤさん、オサムさんは、婚活を始めて1年以内に結婚している。そのスピード感を支えているのは、20代特有の「効率と合理性」だ。 アプリではなく結婚相談所を選び、時間を惜しまずに大勢とコンタクトし、見合いやデート前には相手のプロフィールを事前に読み込んで、質問を考えておく。言ってみれば「結婚」を目標に据えた短期決戦のようでもあり、オサムさんも「ほとんど就活みたいだった」と話す。 20~45歳の会員限定の結婚相談所「Mariage Prive(マリアージュ・プリヴェ)」代表の仲人・葉月さんも20代特有の「効率と合理性」に同意する。 「世代の違いを感じることがあるとすれば、30~40代は『いい人だけど、もっといい人がいるんじゃないか』と決めきれない人が多いのに比べて、20代は『いい人がいればそれで決める』という人が多い。そこがスピードに直結するし、合理的かなと思う由縁です」 かつ、彼らの求めている夫婦像は「平等・対等」、つまり同志のような夫婦だ。年齢差は、サトミさん以外のふたりは1歳差。年収はほぼ同額程度だ。 「価値観がある程度近い人と出会いたいと思っている人が多い。自分とは違う家庭環境で育った人と冒険したいとも思わないし、玉の輿を狙いたいとも思っていない。協力して家庭を築いて堅実に幸せをつかみたい、という感じが強いです」 それは母親や職場の1世代上の女性が、不妊治療や、仕事と子育ての両立で大変そうにしているのを見て学んだ結果なのではないか、と葉月さんは分析する。