収入も年齢も“対等”がいい――「堅実に幸せをつかみたい」20代婚活最前線 #性のギモン
婚活の場所を戦略的に移籍「料金に見合う対価がほしい」
奈良在住で営業職のタクヤさん(仮名・25歳)は、もともと独りで生きていく予定だった。学生時代は個人競技のスポーツに打ち込んだ。周囲が彼女とけんかしたり派手に別れたりするのを「なんて無意味なんだろう」と冷ややかな目で見ていた。 だが、24歳で婚活を開始。コロナ禍に就職し、新人担当の上司からパワハラまがいの執着を受けてのことだ。絶対的な味方がほしいと思った。 まずは2つのマッチングアプリに登録し、婚活パーティーにも顔を出したが、すぐに結婚相談所一本にしぼった。 「アプリのプロフィール写真って、花とか風景とか、本人だとしても後ろ姿だけ。後ろ姿になんで『いいね500』も付くんだろうなと思いました。パーティーは相手が5分で入れ替わるのに、女性は2000円のところ男性は5000円支払う。料金に見合う対価が得られないと思ったんです」 結婚相談所も3カ所利用している。最初は費用が安い相談所を2カ所掛け持ちし、1時間お茶することで異性との会話術を鍛えた。その後、20代から支持を得ている結婚相談所に移り、1カ月で21人とお見合い。学年が1つ上の女性と2023年10月初旬にお見合いをし、11月初旬に真剣交際を始め、翌年元日に婚姻届を出した。相談所の3カ所利用を「戦略的移籍です」と笑うが、部活動時代に「どうすれば勝てるか」を考え抜き、データを積み上げ、練習メニューを自ら作成した経験と大いに重なる。 「婚活では、ご両親を含めて相手との相性の良さを具体的にイメージしました。IBJではプロフィールに両親の職業を書く欄があります。自分は将来的に自営業を考えているんですけど、例えばご両親も女性自身も公務員だと考え方が合わないかもしれないとか。 正直なところ、女性の年収は見ていました。実際、男の稼ぎはそんなに上がらないじゃないですか。相談所では若い女性は年収非公開が多いですが、そんな中で金額の大小にかかわらず公開していると、『仕事をちゃんとされている女性なんだな』『誠実なんだろうな』と好意的に受け止めていました」 結婚生活はすこぶる順調だという。「心の安定感が抜群に変わりました。やはり揺るがない“不動のバック”がいるというのは大きい。僕、上司にも意見を言えるようになったんです。家で最愛の妻が待っているんだから、別に何が起きても大丈夫って」