円谷プロから着ぐるみを借りて……大学時代の河崎実監督がつくった完コピ8ミリ映画『√ウルトラセブン』
いま日本映画界を第一線で支える映画監督たちには、8ミリ映画を自主制作し、才能を見出され、商業映画にデビューした者たちが少なくない。そんな監督たちに自主映画時代を振り返ってもらう好評インタビュー・シリーズの第8弾は、特撮映画ファンにはお馴染み河崎実監督。唯一無二な「バカ映画の巨匠」に、自身も自主映画出身監督である小中和哉氏が聞いた。(全4回の1回目/ 2回目 に続く) 【写真】この記事の写真を見る(11枚) ◆◆◆ 河崎実監督は、怪獣映画要素のあるユルいお笑い映画を連発している《バカ映画の巨匠》。僕にとっては、特撮系の8ミリ映画上映会などで学生の頃から付き合いのあった自主映画の先輩監督。8ミリ映画出身監督の中で、というより日本の映画監督の中で、唯一無二な独特のポジションで映画を作り続ける河崎監督に、いろいろお聞きした。 かわさき・みのる 1958年東京都原宿生まれ。明治大学在学中から8ミリ映画を制作、『ウルトラセブン』(67)のリメイク『√ウルトラセブン』(79)、石坂浩二ナレーターの『エスパレイザー』(83)などでアマチュア特撮の雄として注目される。その後、CMプロデューサーを経て『地球防衛少女イコちゃん』(87)でプロデビュー。他の作品に『いかレスラー』(04)、『コアラ課長』(06)、『ヅラ刑事』(06)、『日本以外全部沈没』(06)、『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』(08)、『地球防衛未亡人』(14)、『三大怪獣グルメ』(20)、『遊星王子2021』(21)、『突撃!隣のUFO』(23)など多数。 ◆◆◆
『ウルトラマン』に頭をぶち抜かれるような衝撃を受けた
―― 河崎さんは子供の頃から怪獣映画にハマっていたと思うんですが、最初にハマったのは何ですか? 河崎 『ウルトラマン』ですね。初代の。 ―― いくつの時ですか? 河崎 7歳から8歳だから、直撃なんですよ。『ウルトラマン』を見て、ヤバイ、となった最初の子どもですよ。 ―― 怪獣にドはまりして、どんどん追いかけていった感じですか? 河崎 そうですよね。その後、中学、高校になって、その頃はビデオとかないから、とにかく映画が観たいので、過去の怪獣映画とか特撮映画を観まくっていました。 ―― あの頃、学祭とかで16ミリのプリントで『ウルトラ』とかをよく上映していましたよね。 河崎 そうそう。一番最初に作った8ミリ、俺と先輩が作った怪獣映画を、『ウルトラマン』と『セブン』と『怪奇大作戦』の16ミリと一緒に合同上映会をやったんですよ。