要注意!離婚時に取り決めても…養育費を「支払わなくてもよい」と判断されるケースとは【弁護士が解説】
養育費を増額したい場合
反対に、養育費を増額できるケースもあります。たとえば、別居親の年収が上がった場合や、同居親の年収が下がった場合などがあるでしょう。 こういった状況になったら、養育費の増額に応じてもらうよう相手と交渉しましょう。増額を求める際には、なぜ養育費を増額すべきなのか、増額の法的根拠を提示して相手を説得しましょう。 相手が無視する場合や自分たちで話し合っても合意できない場合には、弁護士へ増額交渉を依頼するようおすすめします。弁護士であれば、法律の観点から相手を説得できる可能性が高くなりますし、合意ができたときには増額に関する合意書の作成まで行います。 相手が養育費の増額に応じない場合、家庭裁判所での養育費増額調停も任せられて安心でしょう。
養育費取り決め時の「公正証書」の重要性
協議により養育費の取り決めをする際には、必ず公正証書を作成しましょう。公正証書があれば、支払義務者が約束した支払いをしないときに、権利者が義務者の資産や給料などを差し押さえられるからです。 公正証書がない場合は、改めて養育費調停や審判を申し立てなければ、差し押さえができません。養育費の公正証書は、公証役場へ申込みをすると作成してもらえます。 自分でも対応できますが、手続きにも手間がかかりますし、文面を自分で考えなければならないなど負担も大きくなるものです。弁護士に依頼すると、公証人とのやり取りや必要な段取りをすべて整えてくれるため、手間がかかりませんし、自分で公証役場へ行く必要もありません。 相手と顔を合わせずに公正証書を作成できるメリットもあります。そのため、養育費の公正証書作成は弁護士に依頼することを検討するのがよいでしょう。
支払者が養育費を支払ってくれない場合
養育費の取り決めをしても相手が払ってくれない場合、以下の手順で請求を進めましょう。 公正証書や調停調書がある場合 養育費について取り決めた公正証書や調停調書があれば、それらを使って相手の給料や預貯金などを差し押さえましょう。相手の勤務先や財産に関する情報がわからないときには、裁判所の手続きを利用して調べられる可能性もあります。 自分で情報取得や差し押さえの手続きをするのが難しければ、弁護士へご相談ください。 公正証書や調停調書がない場合 公正証書や調停調書などの書類がない場合には、先に養育費調停を申し立てなければなりません。調停や審判を得たあと、差押えの手続きを進めましょう。
当事者間の話し合いで揉める場合には、「相談」という選択肢も
養育費をいつまで支払うべきであるのかは、子どもや親の状況によって異なります。事案の内容に応じて適切な時期をお互いに話し合って決めるとよいでしょう。 養育費の金額や支払期間について、自分たちで協議してもうまくいかない場合は、弁護士へ依頼することをおすすめします。弁護士が対応すれば公正証書作成もスムーズに進められて安心です。 養育費について悩んだときには離婚や子どもの問題に熱心に取り組んでいる弁護士に相談してみましょう。 <参考> ※ 法務省:成年年齢の引下げに伴う養育費の取決めへの影響について 白谷 英恵 Authense法律事務所
白谷 英恵