春香クリスティーンが考える 子育てと政治 課題解消への入り口は「議論」と「思いやり」
■スイスでは「議論」は日常
新内:確かに空気感といいますか、自分の友達とかでも出産経験のある友達とかは、この時代になったからなのか言いやすくなったとは言っているので、少しずつ変わってきてはいると思いますね 東島:そうですね。この辺りは、スイスではどうなんでしょう 春香:子育てを私自身がスイスでしたことはないんですけど、政治についての関わりで言うと、結構議論になりやすいんです。学校とかでも、一つの政治的なトピックスだったり、別に政治だったりについて話そうって言って机を合わせるとかではなく、自然と日常会話と同じような感覚で、そういったトピックも話題に上がることがあるんです。スイスは直接民主制を導入していて、国民投票があるんですね。簡単な例でいうと、EUに加盟すべきか否かっていうのが国民みんなに問われて、それに対して賛成か反対かっていうような票を一人一人が投じる権利がある。それって、日本ではない制度だと思うんですけれども、そういったものがあるのもあって、議論になりやすいです 東島:議論となると、どうしても日本では肩肘を張ってしまうところがありますけれども、それを自然にできる環境がつくられている 春香:そうですね。それが、やっぱり高校に、日本の高校に入った時には全くなくて。そもそも、そんなに自分の意見を発するっていうのがあまり見受けられなくて、なんでなんだろうなっていうのが、私がそもそも国会に通い始めたきっかけでもあるんですけれども…… 東島:そこが入り口なんですね 新内:政治に興味を持てるようになったっていうのは、幼少期からそういう環境が当たり前にあったからっていうのは、あるんですかね 春香:そうですね。議論をする環境っていうのは割と授業の中でのディベートに終わらず、 普段から意見を発する、政治でもそうじゃないテーマでも、結構はきはきと思ったことを子供 でも大人でも言う文化というか、環境がありました。その中でも、私は割と控えめに傍観するタイプではあったんです。でも、日本に来た時に好きなドラマとか、アニメとか、そういった話にはなっても、社会的な話とか、政治の話とか、ニュースの話とかは全然上がってこないなっていうことにちょっと違和感を覚えたというか、不思議だなって感じましたね。質問をしても、興味を持っても仕方ないよねとか…… 新内:うーん 春香:ネガティブなニュースが多いから、それに対して悲観的な意見、マイナスの意見が多かったので、本当はどうなんだろう、と。やっぱり自分の目で見てからじゃないと何とも言えないなっていうところがありましたね 新内:政治のことで言うと、21年の衆議院の投票率が56%ということなんですけども、やっぱり政治への意識をもっともっと高めたいという感情は日本にもあると思うんです。でも、その一歩が踏み出せないみたいな方とかも多いと思うんです。春香さん自身は政治に興味がある側の方じゃないですか。なので、その一歩を踏み出すきっかけみたいなのがあったら、と思うんです 春香:多分、生活の全ての分野って何かしらの政治に関わっていると思うんです。自分が興味のある分野、それが例えば、防災であっても、子育てであっても、安全保障みたいな話であっても、経済であっても、何であってもいい。そういったところで、どんな議論がされているのかっていうのをまず見てみるとか、今どんな法律が通ろうとしているのか、自分の周りでどんなことが変わろうとしているんだろうっていうような話を入り口にするのもありだと思います。もっと身近に、自分の住んでいる自治体の市議会議員でもいいですし、市区町村の長の方でもいいですし、県議会とか知事とか、国会議員の方とかももちろん、そういった人にフォーカスを当ててみて、どういうことをやろうとしているんだろうっていうのを聞くだけで面白いんですよね 新内:そう思います。今回の特別番組でも品川区長のお話を聞きましたが、こういうこともやっているんだ、こういう思いでやっているんだっていうのを聞くと、やっぱり思いが乗っているから、よりちゃんと聞こうって思いますし、より入ってきますよね 春香:うん、そうですね