【40代・50代から知っておきたい!「誤嚥性肺炎」⑨】誤嚥を防ぐ「食べ方ルール&自衛策」を知っておこう!
食事をするときは猫背にならないように注意
日頃、無意識に行っている食事中の姿勢を振り返ってみて。誤嚥には、食事の際の姿勢も影響するからだ。椅子に浅く座って背もたれに体を預ける姿勢や、猫背で食べるのはよくない。床や畳に座ったり、ソファなどの低い椅子に座って食事する人もいると思うが、前かがみになって背中が丸くならないようにしよう。 「食事中の姿勢を見直すには、テーブルの高さを見直すとよいでしょう。テーブルが高すぎたり低すぎたりすると、体とテーブルが遠くなって、あごを前に突き出して食べる犬食いの姿勢になってしまいがち。すると、あごが上がって飲み込みにくくなり、誤嚥のリスクが上がってしまうのです」 椅子に座って食事する際は、足の裏をしっかりと床につけて、背もたれのある椅子に深く座るようにする。そして、背すじを伸ばして、飲み込むときには「うなずき嚥下」を意識しよう。
ひと口の量は少なめに。早食い、かき込み食い、ながら食いはNG
かき込むように食べたり、食べ物を口いっぱいにほおばると、食べた物が気管に入りやすくなるので要注意。ひと口の量は大さじ1杯程度が適量だ。丼や皿に口をつけてかき込むように食べる「かき込み食い」は、ひと口の量が多くなりやすいので避けよう。急いで食べる「早食い」も誤嚥を招きやすいのでNGだ。 また、テレビやスマホを見ながらの「ながら食い」も誤嚥のもと。家族や友人とおしゃべりしながら食事するのは楽しいひとときだが、むせやすい人は要注意。口の中に食べた物が入ったままの状態でおしゃべりすると、息を吸ったときに食べた物や唾液が気管に入ってしまう心配があるからだ。会話するのは「飲み込んでから」が鉄則。 誤嚥のリスクを減らすには「ながら食い」を避けて、食事に集中することが大切だ。食事にかける時間は30分以内を目安にしよう。
嚙みすぎるのは誤嚥のもと。適度に嚙んで
おいしく食べて味わうには、よく嚙んで、飲み込みやすい食形態にすることは大切だ。だからといって、嚙めば嚙むほどいいというわけではない。嚙む時間が長いと、固形物と水分が分かれてしまう「離水」が起きて、水分だけが気管に入ってしまうことがあるからだ。 また、嚙む時間が長すぎると、食べた物が喉の奥にたまった状態になり、むせやすくなる。適度に嚙んで、口の中で飲み込みやすい形状にまとまったら、飲み込むようにしよう。