「中学受験で併願校が決めきれない」という小6母の悩みに、受験のプロが教える「学校との相性」の見極め方
おおた:カリキュラムや時間割を見てもわからない、という人がいるかもしれませんが、学校説明会でどれだけ進学実績に時間をかけるかでも、学校の姿勢って見えてきます。圧倒的な進学実績を出そうと必死になっている学校に入っちゃったりすると先ほど安浪さんがおっしゃったように子どもがプレッシャーやストレスを感じてしまって、それが原因で不登校になってしまったりすることも実際ありますから。やっぱり進学実績の話ばっかりする学校って、間違いなく授業はつまらないですよ。子どもの拘束時間を長くして、追い詰めてあげるのがサービスです、ってなっちゃっている学校もあると思うので。 ■「ちょっと気になる」が少ない学校を 矢萩:確かに。あとは「ちょっと気になる」とか違和感があるな、って思うところが少ないほうがいいです。学校見学に行くと、あの学校はちょっとトイレ汚かったな、とか、校庭が狭かったんだよね、みたいに「ちょっと気になる」ことってあると思うんですが、そういうところが少ない学校を選ぶというのもありだと思います。 安浪:通学に使う路線とか、通学路も大事ですよね。女の子だとこの路線は痴漢が多いから嫌、という視点もあります。そういったことを全部あげてみて、それでも全部いいというなら、やはり過去問との相性が大事ですね。合格の確度も高まりますし。矢萩さんもよくおっしゃっていることですが、進学すると、入試問題を作った先生が授業をするわけですから、相性が良いならばきっと授業も合っているということになりますよね。 矢萩:そうそう。過去問が面白いかどうかってめちゃめちゃ大事なんですよ。この問題を解きたいなとか、解けるようになりたいなって思える問題を出している学校っていうのは自分の成長したい方向に引っ張ってくれる先生がいるってことなんですね。そういう学校は行ってから非常に楽しめると思います。逆に、この問題意味がわかない、なんでこんなことを答えさせるんだろう、って思うような問題を出すような学校に入学してしまったら、6年間その問題を作った先生がいる環境にいなくちゃいけないんですよ。それは結構キツいです。
おおた:子ども自身がこの学校の問題を解いてるとなんか楽しいんだよなと思ったり、間違ったときでも、何で間違ったのか知りたくなるんだよな、みたいに思えるとしたら多分相性がいいっていうことですね。とはいえ学校選びは難しい。僕自身、学校を取材するっていうのを得意技にしてるし、実際たくさんの学校を取材していますが、知れば知るほど学校ってわからなくなることもあります。娘さん、どこに行っても楽しめそう、って言っているのであればそれだけでも最高に中学受験に向いてると思いますよ。 (構成/教育エディター・江口祐子)
安浪京子,矢萩邦彦