ツアー初の月間4勝へ 平田憲聖がジャンボ、トミーに並ぶ記録も視野に「余計なことは考えず」
<バンテリン東海クラシック 事前情報◇25日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71> 石川遼が平田憲聖をハグで祝福【写真】 賞金ランキング1位を走る平田憲聖は今季2度目の2週連続優勝とツアー史上初の月間4勝をかけて今週の一戦に臨む。今大会は3年連続の出場となるが、過去2年は予選落ち、23位と相性がいいとは言えないが、今の勢いなら快挙達成の可能性は十分にあるはずだ。 コースとの相性は今ひとつでも、愛知県は平田にとってゲンのいい場所だ。大阪学院大3年だった2021年に愛知カンツリー倶楽部で行われた「日本学生」に優勝。「あの優勝でサードQTから出る権利をもらったので思い出の地ですし、優勝した場所には何か縁があるかなと思うので、今週もそれに乗っかって頑張りたいなと思います」。サードからの挑戦となった21年のQTではファイナルで2位に入り、ツアーの出場権をつかむと、ルーキーイヤー22年にシードを獲得。2年目の昨季は初優勝を含むツアー2勝を挙げ、今季はさらに大きく飛躍を遂げた。 今大会に勝てば、中嶋常幸(2度)、尾崎将司に続く、年間2度の2週連続優勝。さらにはツアー初の月間4勝、15年のキム・キョンテ(韓国)以来9年ぶりの年間5勝など、さまざまな記録達成となるが本人はクールな反応。「あんまり何も考えていないというか、いい感じに集中できていると思います。先週も終わってから9月3勝したんだという感じで、余計なことを考えないのがいいのかなと思います」。 明確に好調の要因があるわけではなく、平田は「何も変わっていない」という言葉を繰り返す。「変わったことは何もなくて、9月までにいろんな経験をしてきたことが生きてきたのかなと思います。ゴルフの調子がすごくいいというわけではないんですけど、ちょっとしたことで4日間の流れは変わってくるので、そのなかでうまくチャンスをつかめているかなと思います」。記録や結果に左右されず、自然体で試合に臨めていることが、結果を残し続けている理由ということなのだろう。 優勝争いが続けば疲労も積み重なるものだが、「3日目までに首位に立って、そのままという優勝が多かったなかで、逆転だったので先週は確かに精神的に疲れました。でも今はもう回復しています」。疲れもなく、いい状態で今大会を迎えている。 過去2年上位に食い込めなかったコースの印象は「やっぱり難しいですね」。ティショットのミスがボギーに直結する点を警戒しつつも「状態が良ければ、いい感じでプレーできるかなと思います」と自信ものぞかせる。名古屋にいい思い出をもうひとつ。今週もツアーの中心には間違いなく平田がいる。(文・田中宏治)