中秋の名月とスーパームーンが土星と共演し、すばるが輝く今週の夜空
今週も、夜空を見上げる理由には事欠かない。大きく明るい「スーパームーン」は、北米など一部地域では月食も楽しめる。金星とおとめ座の1等星スピカが最接近し、月と木星とプレアデス星団が三重奏をかなで、地球は秋分を迎える。 【画像】金星とスピカ、海王星、すばる 9月第3週の夜空の見どころをまとめた。 ■9月17日(火)~18日(水):「中秋の名月」とスーパームーンが土星と共演 1年のうちで最も有名な月といえば日本では「中秋の名月」(今年は9月17日)だが、北米では「ハーベストムーン(収穫の月)」と呼ばれる秋の満月だろう。月明かりのおかげで夜間も収穫作業が捗るといういわれにちなむ。今月の満月(同18日)は通常より大きく明るいスーパームーンで、しかも北南米、欧州、アフリカ、中東では部分月食を伴う。 17~18日は、月と土星の大接近も見られる。 ■9月18日(水):金星とスピカが最接近 東の空に昇るスーパームーンを眺めたら、180度向きを変えて、西の空にきらめく「宵の明星」のそばに明るい星を探してみてほしい。マイナス3.9等の金星は、おとめ座で最も明るく地球から約250光年離れた1等星スピカの2度余り上に位置している。2つの星は、西南西の地平線すぐ近くに見える。 ■9月21日(土):海王星の「衝」 この夜、太陽から8番目の惑星である海王星は、2024年で最も大きく、明るく、見やすくなる。惑星の「衝(しょう)」とは、地球から見て惑星が太陽とちょうど反対側にくる位置関係のことを言う。今後数週間にわたって海王星はうお座に位置し、東の空の土星の近くに輝いている。明るさは7.8等級で、肉眼では見えないため望遠鏡を用意しよう。大きめの望遠鏡がいいだろう。
月と木星、すばるが共演
■9月22日(日)ごろ:月と木星、すばるが共演 真夜中ごろに東の空を見上げると、欠けはじめた月が、木星と、おうし座のプレアデス星団(すばる)と並んで見えるだろう。 ■9月22日(日):秋分の日 この日、日本時間午後9時44分に地球は「分点」を通過する。これは、太陽が「天の赤道」を横切る瞬間の時刻だ。この瞬間は年に2回、3月下旬と9月下旬に世界中で同時刻に訪れる。9月の分点は、北半球では「秋分」と呼ばれ、天文学において夏の終わりと秋の始まりを告げる。地球の公転周期(1太陽年)、すなわち地球上における1年間を4等分した「二至二分(春分・秋分・夏至・冬至)」の1つである。 四季の移り変わりがあるのは、地球の自転軸(地軸)が傾いているからだ。その結果、地球は1年間に北極側が太陽の方角を向く時期(北半球の夏・南半球の冬)と、南極側が太陽を向く時期(南半球の夏・北半球の冬)と、地軸が太陽に垂直な時期(春と秋)を繰りかえすことになる。 ■今週の天体:プレアデス星団(すばる) プレアデス星団(すばる)は、おうし座に位置する散開星団で、英語ではギリシャ神話に登場する7人姉妹にちなんで「セブンシスターズ(7人姉妹)」と呼ばれる。9月になると夜更けに東の空に昇ってくる小さな明るい星団で、肉眼でも簡単に確認できる。7つの主要な明るい星があり、アルキオネ、アトラス、エレクトラ、マイア、メローペ、タイゲタ、プレイオネと名付けられている。いずれも地球から444光年離れた場所にあり、約1億年前に誕生した比較的若い星たちだ。 プレアデス星団を正面からよく見ると、明るい星の並びが小さなひしゃく型をしていることがわかる。しかし、少し横を向いて目を細めて見てみると、かすかに光る霞のようなものが見える。夜空に類を見ないこの美しい輝きは、約800個の若い青い星が集まってつくりだしている。
Jamie Carter