荻原博子「今の高齢者は投資教育を受けていない。<新NISA>が始まろうとも言いなりで手を出すのは危険」萩原博子×樋口恵子対談
◆イヤなことは「棚上げ方式」で 荻原 樋口さんはいつも前向きですね。今日は、そのご機嫌の秘訣を教えてください。初対談のときの話が忘れられません。参議院の予算委員会で意見を述べられた際、公的投入した6850億円を、「責任者はローヤへゴー」と語呂合わせされた。素晴らしいユーモア感覚に感激しました。 樋口 予算委員会では笑いと拍手が起きました。一納税者としてせめてもの抵抗です。 荻原 エッセイを拝読しても、ユーモアたっぷり。たとえシリアスな話題でも楽しく読める。 樋口 笑いは人間関係の潤滑油。まわりも自分もハッピーになります。ですからユーモアは大事にしていますし、小さいころからラジオで落語を聞いていたせいか、駄洒落なんぞも得意です。荻原さんもいつも明るく前向き。もともと楽天家ですか? 荻原 私、ほぼいつも機嫌がいいんです(笑)。イヤなことは、すぐ忘れるし。 樋口 あらぁ、私と似てる! 荻原 《忘却力》は、ご機嫌に生きる秘訣ではないでしょうか。 樋口 その通り! 若い時は、人から言い負かされたり、いじめられたりすると、「うぬ~っ」と思ったりもしました。でもあるころから、恨みつらみは「棚上げ方式」にしようと決めたんです。 残りの人生、ネガティブな感情に支配されてはもったいない。イヤなことは忘れなくてもいいけれど、いったん棚上げして、好きなこと、やりたいことを一所懸命やろう、と。 荻原 たいていのことは、時間が解決してくれますものね。 樋口 最近つくづく感じるのは、《人》はなによりの財産だし、ご機嫌の源。今日みたいな対談にしても、人間関係の賜物ですから。数年続いたコロナ禍の間、対面で人と会う機会が減り、人間はいかに人を恋しがるものかを痛感しました。 荻原 本当にそうですね。もちろん、生きていくにはお金も必要。でも、なんとか年金でやりくりして、「人が財産」という思いで人間関係を拠り所にしていけば、何歳になってもご機嫌でいられるのではないでしょうか。
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