宮城県比例2区で当選した元グラドル・森下千里議員の勝利を決めた”辻立ち”と地元民の意外な評判
大敗とまではいかなかったが、自民党は191議席、公明党は24議席、合わせて215議席となり過半数の233議席を下回る結果となった今回の衆議院選挙。 【スーツ姿もスタイルは...】すごい!スーツ姿でも抜群のスタイルがわかる代議士時代の森下千里 ただ、野党第1党の立憲民主党も大幅に議席を伸ばしたといえ148議席しか得られず、今後の政局は不透明なままだ。 そんな中で、今回の選挙でもタレント議員が誕生している。自民党の比例東北ブロック単独第2位で当選した元グラビアイドルの森下千里(43)だ。 森下は’21年に行われた前回の第49回衆議院議員選挙にも宮城5区から出馬し、立憲民主党の安住淳(62)に敗れて落選。重複立候補した比例東北ブロックも次点で落選したが、61,410票を獲得する善戦ぶりを見せた。今回は見事、そのリベンジを果たした格好だ。 ◆《自民党懲りてないんだね》 タレント議員の歴史は古く、これまで数多くの議員が誕生している。最近では’22年の参議院議員選挙で当選した自民党の生稲晃子(56)と’16年の参議院議員選挙で初当選し、’22年の選挙で再選を果たした同じく自民党の今井絵理子(41)。ほかにも日本維新の会の中条きよし(78)が頭に浮かぶが、3名とも政治家としての評判は芳しくない。今回も森下に対して、 《比例東北から第二の今井絵理子氏が誕生しちまった》 《今井絵理子 生稲晃子で懲りたと思ったが、自民党懲りてないんだね。呆れた》 などとSNSでは批判の声が多い。生稲、今井だけでなく、近年はタレント議員に対する風当たりは強いが、それでも候補者にタレントを擁するのは、選挙ではその知名度がアドヴァンテージになるからだ。だが森下に関していえば、知名度以外にも抜擢理由がある。 ◆5年近くに及ぶ”辻立ち” 「確かに、一般人に比べれば知名度はありますが、過去の人であることは間違いない。グラドル時代の彼女を覚えている人も少ないでしょう。今回は小泉進次郎選対委員長の『女性候補を増やせ』という号令で、比例単独の森下氏は東北ブロック単独2位の好待遇となりました。 それはただ単に有名人だということではなく、前回の選挙で安住さんに負けたとはいえ、6万票も獲得した実績と、落選した後も『辻立ち』を続け、地道に活動してきたことが認められたからだと思います」(全国紙政治部記者) そんな彼女の辻立ちは、5年近くに及ぶ。 「雨が激しく降る日が何日か続いた時でも毎日立っていたことがありました。取材していたら『東京から来たキレイな女の人なのに、毎日、立って偉いね』と声をかけるお年寄りもいましたよ。そんな姿を見たら、最初はよそ者でも、徐々に情が移るものです。 1年とか2年じゃなく結構長い期間やっていましたからね。『こんなに頑張っているのだから票を入れてあげよう』という雰囲気はありました。辻立ちして、市民に訴えるという戦略は成功したと思います」(地元紙記者) ◆「長いものに巻かれないかどうか」 ’22年1月にYouTubeチャンネル『日経テレ東大学』で行われた、ひろゆき氏との対談では、『食料自給率』について明確に答えられず勉強不足を指摘されていた森下。ただ、今回の当選について前出の地元紙記者は、 「勉強不足が露呈したのも昔の話ですし、ちゃんと活動している姿を見せています。彼女は他のタレント議員と違って誘われて選挙に出たのではなく、『政治家になって人の役に立ちたい』という思いが最初にあって、辻立ちを始めている。少なくともどんな活動をしてるのか見えてこない、他のタレント候補よりはましかなと見ています」 と、期待を口にした。 当選後の地元民の反応も、決して悪くないという。ただ、こんな懸念も。 「正直、市議会議員や県会議員から始めていれば、良かったのではという思いもあります。それが国政で、果たして長いものに巻かれないで自分の意思で活動してくれるならいいんですが。自民党でそれができるのか、どうなのかな……」(前出・記者) これからどんな働きをしてくれるのか、まずはお手並み拝見というところか──。
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