福岡ソフトバンクホークスジュニア 帆足和幸監督 「選手から意見が出る雰囲気をつくる」”主体的に考える”チームで目指す15年ぶりのトーナメント制覇
今年は投手を中心とした守りのチーム
ホークスジュニアは09年以来2度目の優勝を目指す。今年のチームはどんな特徴かを監督自身に語ってもらった。 「能力は過去最大級に高いと感じています。今年の特徴は守りだと思っています。コーチが鍛えてくれてミスも出ないですし、投手陣も120km/h 以上投げる選手が4人揃っています。守備からリズムを作って流れを呼び込みたいですね」 選手選考においてどんな点を重視したのか。長打力のある打者やスピードボールを投げる投手といった選手の他に、毎年必ず見ているポイントがあった。 「まずはキャッチボールを見ます。丁寧にキャッチボールができる子は守備は間違いなく上手いです。逆にキャッチボールが上手じゃない子で守備や投球が上手い子はほぼ見ないです。 攻撃面では走力を重視しています。足が速くて走塁が長けている子がいれば得点につながるので、選考ではいつも考えています」 監督としては昨年決勝トーナメントに進んだが、実は意外なデータがある。 「僕は初戦でまだ一度も勝っていないんです。なので絶対勝ちたい想いは強いです。初戦に全てを懸けます」
子どもたちに身につけてほしい「継続力」
ジュニアチームの監督そして、アカデミーコーチとして今もユニフォームを着続けている帆足監督。 トーナメントやアカデミーを卒業した生徒との交流は今も続いている。その絆は監督自身が築き上げていた。 「卒業生はもう最初に教えた子は高校3年生になっていますが、今でも相談をしてくれます。自分が教えた子どもたちですから嬉しいですよね。 映像も送ってくれますので見てアドバイスするやりがいがあります。”今どこの学校に進んで何回戦なのかな”とチェックもしていますし、今年は3人甲子園に出てくれました」 最後に自身が指導者としてどんな選手そして人を育てたいか、その想いを語ってもらった。 「野球が上手くなるために必要なことはもちろんですが、野球だけじゃない部分も教えていきたいです。それは”継続すること”。どんなことがあっても継続力が付いていれば対応できると思います。 上手くなるためには継続が必要ですし、人間嫌なことはすぐ離れがちなのですが、社会に出ても”我慢して続けていくこと”を覚えてほしいと思うので、僕も子どもたちと一緒に頑張っていきたいです」 監督が勝負をかける初戦は26日。神宮球場で阪神タイガースジュニアと対戦する。思考力と結束力をかけ合わせ、15年ぶりの頂点を目指す。 (おわり)
取材 / 文:白石怜平
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