センバツ高校野球 勝利導く右肩のトンボ 中央学院ナイン、コーチに触れ活躍祈願 きょう報徳戦 /千葉
◇決勝懸け、きょう報徳学園戦 第96回選抜高校野球大会で4強入りした中央学院。今大会、試合前にコーチの塚越爽太さん(24)の右肩に触れる選手たちの姿がある。自身の活躍や必勝を祈願する選手たちのルーティンという。【林帆南】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち きっかけは、昨秋の県大会開幕直前の練習後。相馬幸樹監督が、塚越さんの右肩にトンボがとまっていることに気づいた。監督は「これはイケる。何かあるぞ」。 トンボは常に前に進むため、不屈の精神と勝利を呼び込む縁起の良い「勝ち虫」とされる。県大会序盤は投手陣に塚越さんの右肩を触らせていたが、勝ち進むうちに触る選手は増えていった。そうした中でチームは県大会優勝、関東大会ベスト8と快進撃を続けた。 今センバツ大会の準々決勝で大暴れした青木勝吾(3年)は「『勝てるように』と右肩を触る。効果が出たかな」。小沢遼大(同)は準々決勝前に触り損ね、「打てなかった。次は触ります」。右肩を触り、喝も入れてもらう水嶋悠(同)は「塚越さんは寮で一緒に過ごしているから、緊張がほぐれる」と笑みを浮かべた。 29日、選手たちは打撃練習などで汗を流した。準決勝は30日第2試合(午後1時半開始予定)で報徳学園(兵庫)と対戦する。 ◇熱い地元・我孫子 準決勝もPVで 「約束のカレー」贈呈 中央学院の快進撃に、地元・我孫子市でも熱気が高まっている。 市内の高校では、今大会と2018年春夏連続出場した中央学院のほか、1978年と91年の夏に我孫子高校が甲子園出場を果たしているが、今回の8強、さらに4強進出は過去最高の成績。星野順一郎市長は「どこへ行っても『おめでとう』と言われる。このまま頂点まで駆け上がってほしい」と目じりを下げる。 市は1回戦に続き、30日に予定されている準決勝でもパブリックビューイング(PV)を開催。手賀沼公園内の市生涯学習センター「アビスタ」(同市若松)ホールに大型モニターを設置し、試合開始から終了まで地元から声援を送る。 また、カレーで我孫子の街おこしに取り組む「白樺派のカレー普及会」は29日、中央学院にレトルトパック150食を贈った。2月に市が開いた激励会で100食を贈呈した際、歓声を上げる選手たちに、小野広和会長が思わず「甲子園で1勝するごとにさらに50食ずつ差し入れる」と発言し、その約束を果たした。【高橋努】