オワハラ批判されるけれど…全員内定キャンセルも学生、人事、双方大変 どこかおかしい就活
■「オワハラ禁止」通達 「学生の弱みにつけこんだ…」
しかし、4月16日、政府から経済界にこのような通達が出された。 「学生の弱みに付け込んだ、学生の職業選択の自由を妨げる行為(いわゆる「オワハラ」)が確認されています。オワハラは、憲法で保障された職業選択の自由を侵害するおそれがある許されない行為です」 内閣官房、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の局長級幹部ら連名で、経団連会長と日本商工会議所会頭に出されたものだ。 具体例としてあげられたのはこのような行為だ。 ・ 自社の内定、内々定と引き換えに、他社への就職活動を取りやめるよう強要・ 内定、内々定と引き換えに、大学等からの推薦状の提出を求める・ 他社の就活が物理的にできないよう、(自社の)研修等への参加を求める・ 内定承諾書等の早期提出を強要する・ 内定、内々定辞退を申し出たにもかかわらず、引き留めるために、何度も話し合いを求める・ 内定、内々定期間中に行われた業務性が強い研修について、引き留めを目的として、内定、内々定を辞退した場合において研修費用の返還を求める。あるいは、事前にその誓約書を要求する オワハラは上記の例に限らないとしていて、「企業の対応が学生にオワハラと受け止められれば、その企業にとって、法違反に問われるおそれがあるほか、社会的信用の失墜や企業イメージの低下につながることも懸念される」と警告している。 確かに、学生側から見れば、A社から内定を得ても、その後、より希望に合ったB社からも内定が得られれば、A社をキャンセルする、それは人生の選択において責められないだろう。むしろ日本では、多くの学生が中学受験や大学受験などでそのような手法でチャレンジし、「がんばって」きただろう。 一方で、企業にとっての打撃は大きい。特に中小企業では採用人数も限られ、採用担当者も人事だけでなく、広く総務の仕事なども兼任している場合が多い状況で、労力をかけて内定を出した学生から辞退されるのは負担が大きい。こうした状況にじっと耐えるしかないのだろうか?