W杯アジア2次予選で本田圭佑“監督”率いるカンボジアと森保ジャパンの激突可能性は12.5%
3大会連続でワールドカップの舞台に立ち、すべてでゴールとアシストを決めている元日本代表の本田圭佑が実質的な監督を務めるカンボジア代表が、2022年のワールドカップ・カタール大会への第一歩となるアジア1次予選を突破。森保一監督率いる日本代表が出場する9月から開始されるアジア2次予選への進出を決めた。 森保ジャパンがトリニダード・トバゴ、エルサルバドル両代表と対戦。18歳のMF久保建英(FC東京)がフル代表デビューを果たした、キリンチャレンジカップが開催された6月の国際Aマッチウイークで、実は他の大陸に先駆けてアジアでワールドカップ予選の火ぶたが切られていた。 カタール大会の出場国数が未確定だった今年4月の段階で、アジアサッカー連盟(AFC)はアジア1次予選の組み合わせ抽選を実施。AFCに加盟する46か国のうち、最新版となる4月4日付のFIFAランキングで下位の12か国が6つのカードに分かれて、ホーム&アウェイ方式で直接対決に臨んだ。 FIFAランキング173位のカンボジアは、同200位のパキスタン代表と対戦。現地時間6日に首都プノンペンで行われた第1戦を2-0で制したものの、同11日に中立地のカタール・ドーハで行われた第2戦は、前半18分にハンドで与えたPKで先制を許す苦しい展開になった。 しかし、その後は追加点を許さず、後半に入ると19分、終了間際の44分に連続ゴールを決めて逆転勝利をもぎ取る。2戦合計スコア4-1でパキスタンを下し、初めて2次予選に進んだ前回ロシア大会予選に続いてアジア1次予選を突破した。 国際サッカー連盟(FIFA)は5月下旬になって、カタール大会の出場国拡大を見送ることを決定。従来通りの32か国、そのうちアジア枠は「4.5」のままで、来たる9月から来年6月にかけてアジア2次予選が行われることが確定している。
2次予選の組み合わせ抽選会は7月17日に、カタールの首都ドーハで行われる。詳細は未定だが、現時点ではシードされた34か国と1次予選を勝ち抜いた6か国の計40チームが出場。FIFAランキング順に5つのポッドに分けられ、各ポッドから抽選で1チームずつがAからHまでの8つのグループに振り分けられる形が有力視されている。 最新のFIFAランキングをもとに、5つのポッドを形成すると下記のようになる。カッコ内はFIFAランキングを、※印は1次予選から勝ち上がった国をそれぞれ表している。今予選は2023年に開催される次回アジアカップ予選を兼ねているため、開催国でのワールドカップ初出場が決まっているカタール代表も参加することになっている。 【第1ポッド】イラン(21)、日本(26)、韓国(37)、オーストラリア(41)、カタール(55)、アラブ首長国連邦(67)、サウジアラビア(72)、中国(74) 【第2ポッド】イラク(76)、シリア(83)、ウズベキスタン(85)、オマーン(86)、レバノン(86)キルギス(95)、ヨルダン(97)、ベトナム(98) 【第3ポッド】パレスチナ(99)、インド(101)、バーレーン(111)、タイ(114)、タジキスタン(120)、北朝鮮(121)、フィリピン(124)、台湾(125) 【第4ポッド】トルクメニスタン(136)、ミャンマー(140)、香港(141)、イエメン(146)、アフガニスタン(149)、モルディブ(151)、クウェート(156)、インドネシア(159) 【第5ポッド】シンガポール(160)、ネパール(161)、※マレーシア(168)、※カンボジア(173)、※モンゴル(187)、※バングラデシュ(188)、※グアム(193)、※マカオ(183)または※スリランカ(202) 第1ポッドの日本と第5ポッドのカンボジアが同じグループに入る確率は8分の1、つまり12.5%となる。自らを「オレは持っている」とうそぶいたこともある本田が同グループ入りを手繰り寄せ、森保ジャパン対本田監督がホームとアウェイで二度にわたって実現すれば、前例のない「夢の対決」として大きな注目を集めるのは必至だ。 カンボジア代表のGMに当たる「Head of delegation」に、本田が就任したのは昨年8月だった。直前に移籍が決まったメルボルン・ビクトリーFCの許可を獲得。現役選手との「二足の草鞋」を履くことが規約上では問題がないことを、AFCなどの関係機関に確認したうえでの決断だった。 登録上の代表監督はJFLの佐川印刷などでプレーし、本田の個人パートナーを長く務めてきたアルゼンチン人のフェリックス・アウグスティン・ゴンザレス・ダルマス氏が務めてきた。しかし、就任会見の席で本田は「私にとって初めての監督業になります」と明言している。