「『逆らえば地獄に落ちるぞ』住職にマインドコントロールされ、性暴力を14年間受けた」 口をつぐむ大僧正、真実は…
大僧正に近い寺のある関係者は強調した。「大阿闍梨さん(大僧正)をよく知っているが、(性暴力を)知っていて何もしないような人ではない」 ▽性暴力被害者のトラウマ治療にあたる精神科医の白川美也子医師の話 宗教の中での性暴力は、加害行為が見えにくく、被害の訴えが妨げられやすい特徴がある。告発が「神への冒涜や裏切り」と捉えられ、加害者が役職を持っていると、周囲の人に信じてもらえないことが多いためだ。 信仰を利用した洗脳で、性暴力が正当化されることもある。被害者は宗教者から性暴力を受けることで、自身の「信仰の世界観」をも破壊されてしまう。 カトリック教会の聖職者による未成年への性暴力は、世界的に問題となった。キリスト教系宗教団体「エホバの証人」の元2世信者も教団内での性被害を訴えている。宗教は人間の欲望の抑止力にはならない。宗教団体は実態を把握し、被害が確認された場合には被害者に謝罪し、人権に基づく対策をすべきだ。