帰ってきたベルテックス静岡の精神的支柱・加納誠也「僕たちもエスパに続けるように」
言わずと知れたベルテックス静岡の精神的柱がコートに戻ってきた。チーム最年長35歳のPF加納誠也主将。10月26日の熊本戦で負傷して5試合を欠場したが、11月16日の古巣・福岡戦で復帰した。 「状態は問題ない。100%のパフォーマンスを出す準備はしてきた。試合に出られない時も、外からいいところ、悪いところ、チームのために見えてきたことがあったし、けがをプラスに捉えています」 欠場した試合でもチームを陰から支えてきた。特に、若い選手たちに積極的に声をかけた。一時は西地区首位に立つなど、同じ年で就任1年目の森高大ヘッドコーチ(35)の下、加納主将の存在感は大きい。 「シーズン終盤ならともかく、この時期の順位はまったく関係ない。みんなもあまり気にしてないと思う。自分たちのバスケをやって勝利さえ目標にしていれば、順位は後からついてくる。1位とか2位とか関係なく、目の前の試合に向けて最善の準備をすることにこだわっていればいい」 今年はシーズン前から、うれしい出来事があった。9月に第三子となる次男が誕生した。8歳になる長女は山形在籍時、6歳の長男は福岡でプレーしている時に生まれた。3人目はベルテックスに在籍中で、それぞれ別のチームに所属した時に生まれている。 「1人目は(夫人が)里帰り出産で立ち会ったけど、2か月経ってから家にきたので、その時はもう首がすわっていた。長男は生まれつき体が弱く病院に長くいたから、生まれてすぐの子育ては今回が初めて」 夜泣きが大変なようで、「嫁とは別々に寝てます」と苦労を明かす。末っ子は奥さんと寝て、上の2人はパパが担当。「大変だけど、子どもは多い方が楽しい」。自身の「note」では子育て奮闘記をつづるなど、子煩悩ぶりを見せている。 社交的な人柄で、Jリーグ・清水エスパルスの選手とも縁が深い。今季限りで退団した元日本代表GK権田修一(35)とは、よく食事をした間柄だという。MF西沢健太(28)、DF山原怜音(25)とは同じ筑波大出身で付き合いがある。清水が今季J2優勝で、来季のJ1昇格に華を添えたことを我がことのように喜んだ。 「今年は3回ほど日本平に行って観戦しました。同じ静岡市に拠点を持つプロスポーツクラブとしてすごく刺激になっている。サッカーのシーズンが終わったので、次はバスケットボール。今度は僕たちもエスパに続けるように、いい話題を静岡の人たちに提供したい」 チームが掲げる目標は「B2優勝&B1昇格」。シーズン序盤でまだ波に乗りきれないが、同じオレンジをチームカラーにする「エスパルスに続く」とばかりに、ベルテックスの大黒柱がチームを引っ張る。(塩沢 武士) ※報知新聞静岡支局では、ベルテックスの公式HP内の特集ページ「VELTEX INSIDE COLUMN」に上記のインタビュー記事を提供しています。
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