災害に負けない自立した施設づくり 太陽光、馬ふんで発電、馬たちも活躍
<角居勝彦元調教師 Thanks Horse(44)> 能登で被災した角居勝彦元調教師(60)が、31日から新たなチャレンジのためクラウドファンディングを立ち上げる。目指すは災害に負けない自前のインフラを持つ「オフグリッドホースヴィレッジ」。地震や豪雨の相次ぐ被害に苦しむ地元で、引退馬を活用した地方創生のモデルケースを模索する。月イチ連載「Thanks Horse」で賛同を呼びかけた。 能登を襲った豪雨から1カ月が過ぎました。輪島にある布教所兼自宅は土砂崩れによって住めないままですが、幸いにも珠洲ホースパークには大きな被害がなかったので、そちらで寝泊まりをしています。 正月から地震と余震、そして水害に見舞われ、能登の人たちは壊されては復旧させるの繰り返しに追われてます。やっと立ち直って頑張ろうという時に、また次の災害がくるので、復旧に疲れて「再スタートを切る意味があるのか」と思わされてしまうのです。 私たちの活動も、行政では当然ながら人が優先されるので、どうしても馬は後回しになります。ですが、待っているばかりでは前へ進めません。そこで新たなチャレンジのためにクラウドファンディングを立ち上げることにしました。 目指すのは災害に負けない「オフグリッドホースヴィレッジ」です。オフグリッドとは公共設備から自立したインフラを持つことで、たとえば地震が起きても、電気、水道、通信を自分たちでまかなえれば生活を守ることができます。 今の構想では、電気は太陽光発電に加え、馬ふんでのバイオマス発電も候補に挙がっています。水道は井戸水を浄化させる装置を使い、通信は衛星インターネットを利用する計画です。 そして、馬たちに活躍してもらい、1頭あたり8万円の必要経費を馬自身が稼げるようにしていきます。都会でメンタルケアが必要になった人たちに泊まり込みでホースセラピーを受けてもらったり、企業向けのホースコーチング(馬を通じたリーダーシップ研修)を開催したり、そんな場にできればと考えています。 こうして<1>災害への備え<2>社会課題の解決<3>地域経済の創出の実現を目指します。まずは、新たな取り組みをみなさんに知っていただいた上で、ご賛同いただける方にご協力をいただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。