頭痛、疲労・倦怠感、めまい、冷え、むくみ、便秘・下痢…。女性ホルモン減少に伴う、アフター更年期の不調と症状別対処法
◆《不調3》めまい 【概要】 自分や周囲がぐるぐる回る(回転性)、身体が揺れる(動揺性)、向きを変えると起こる(頭位変換性)、立ちくらみ(起立性低血圧)などがあり、女性に多い症状です。 さらに年齢を重ねると平衡感覚の衰え、筋力低下によるふらつき、転倒などの心配も出てきます。 【対策】 めまいはストレスや睡眠不足が原因で起こることも多いため、入浴やマッサージで心身をリラックスさせることや、睡眠環境を整えてぐっすり眠ることが改善につながります。 食生活に気をつけて貧血を防ぎ、適度な運動をすることも大切。貧血、脳や耳の病気が原因でも起こるので、症状がつらい場合は内科または耳鼻科を受診しましょう。 鎮暈剤(ちんうんざい)や血流改善のためのビタミン剤のほか、漢方薬は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)や五苓散(ごれいさん)などが処方されます。 ◆《不調4》冷え 【概要】 女性はもともと体熱をつくり出す筋肉が少ないことに加え、自律神経の乱れや血行不良でも冷えを生じやすいのです。 足は冷えるのに顔はのぼせる「冷えのぼせ」、足のむくみをともなう冷え、冬にしもやけになるような手足の先の冷えもあります。 【対策】 頻繁に冷えを感じる場合は、筋肉のもとになるタンパク質や、エネルギー源となる糖質や脂質をとり、栄養不足や「痩せ」の解消を心がけましょう。スクワットやウォーキングなど運動による血流改善も有効です。 甲状腺疾患や、血流障害が原因のこともあるので、必要に応じて内科で相談してください。 ビタミンE製剤のほか、漢方薬は、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)なども有効です。
◆《不調5》むくみ 【概要】 むくみとは、体の細胞と細胞の間に余分な水分がたまった状態のこと。座りっぱなし、立ちっぱなしなどで下半身を動かさなかったり、下肢の筋肉量が減ったりすると、血流やリンパ液が滞り、むくみが生じます。 また塩分のとりすぎや、前項の「冷え」も、むくみの原因に。 【対策】 ストレッチやウォーキング、入浴で血流を改善しましょう。足を上げることや、着圧効果のあるソックスなども有用。 食生活では減塩を意識し、塩分を排出する働きのあるカリウムや、血液循環をよくするビタミンEをとるよう心がけてください。 むくみは心臓や腎臓の病気、内分泌疾患によっても起こるので、改善されない時には内科で相談しましょう。 ◆《不調6》便秘・下痢 【概要】 年齢を重ねると、口から大腸までの消化機能が低下し、胸焼け、腹痛、消化不良、胃もたれ、腹部膨満感、下痢や便秘などの症状が多くなります。 自律神経の乱れも消化器の不調に影響するので気をつけましょう。 【対策】 1日3食の規則正しい食生活を心がけ、乳酸菌を含む食品や食物繊維で腸内環境を整えましょう。よく噛むために、歯科でのメンテナンスも忘れずに。 腹筋を鍛えてしっかりいきめるようにすることも便秘対策に効果があります。前述した「冷え」対策や「自律神経」を整える方法も試してみてください。 市販薬もありますが、内科(消化器内科、胃腸科)での相談、大腸がん検診も忘れずに。 漢方薬は、大建中湯(だいけんちゅうとう)、麻子仁丸(ましにんがん)など。
【関連記事】
- 女性ホルモンが減ってきたら「ややぽっちゃり」を目指しましょう。痩せ気味女性は、体重をちょっと増やすだけで「疲れやすい」「冷え」の解消にも
- 膝痛、手指の痛み・しびれ・こわばり、目の不調、難聴、頻尿・尿もれ…。アフター更年期の不調と症状別対処法。60代以降の適正体重とは?
- 【アフター更年期】若い頃の自分に言いたい「自分を大切にしてほしい」「料理を作りすぎないで。美食はやめて」「子育てが終われば夫も他人」
- 「アフター更年期」に待っていた体の不調からトラブルが!誰に相談したらいい?不安感、尿漏れ、聞こえの悪さ…読者の「リアルな声」を大調査
- 「アフター更年期」に起こる体の変調改善に、していることは?適度な運動、食事の工夫、通院…読者の「リアルな声」を大調査!