キャベツ相場、平年の3倍 生育期の高温影響し品薄に
キャベツの相場が平年比3倍と記録的高値を付けている。群馬産が切り上がり、後続の愛知産や千葉産が生育期の高温などにより入荷が少なく、端境となっている。スーパーでは1玉売りの割高感から、千切りなどカット加工商品の需要が拡大。加工業者からの引き合いが強まり、品薄高に拍車をかけている。 キャベツの12日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は平年(過去5年平均)比3・2倍の1キロ256円。過去5年で日別最高値を更新した。 後続産地のJAあいち経済連によると、育苗期からの長期的な高温や長雨の影響で、生育の鈍化や正品率の低下が発生。11月上旬の出荷量は「前年比で3、4割少ない」という。 卸値の高値を受けて、スーパー店頭の売価は上昇。農水省の直近の小売価格調査では平年比8割高だ。消費者からは価格が手頃で安定している、千切りやざく切りなどカット野菜での需要が高まっている。大手カット野菜業者は、10月下旬ごろから小売り全般からの注文が増え始め、「今月の注文量は平常時に比べて3、4割多い」と話す。 各産地からの入荷量は微増傾向にある。市場関係者には、来週以降、相場は徐々に下げるという見方もあるが、不透明な情勢だ。
日本農業新聞