長谷川稔グループにデセールコース専門店! 職人技が生み出すキュートなスイーツにファン続出
そして、幼い頃からの夢を叶えて「Germei」をオープン。店名は、フランス語で芽吹きを意味する「Germe」と自身の名前「mei」を掛け合わせた造語。「芽吹くという意味から、この店で新たな出会いが生まれたらという思いを込めました」と横石氏。
デセールコースの専門店というスタイルについてこう語る。「目の前で提供することで生まれる、今しかない儚い美しさに魅力を感じています。また、自分が手掛けるスイーツによって相手に喜んでほしいという思いがありますので、ゲストの方の反応を知ることができるのもカウンターでもてなす醍醐味です」
常識にとらわれないアプローチから生まれるデセールコース
「GerMei」のデセールコース(18,700円)は、9品で構成され、ノンアルコールのペアリングが5杯セットになっている。その一例をご紹介しよう。
「ぶどうショートケーキ」
シグネチャーのひとつであるショートケーキは、ゲストの来店に合わせて焼き上げるスポンジ生地に目の前で軽やかな生クリームやフルーツを盛り付けていく。生地は、あえてグルテンを出すことで「ふわふわ」と「しっとり」という相反する食感が見事に共存している。
生クリームは、通常手に入るものだと乳脂肪分が低くても35%ほどだが、29%まで落として軽やかな仕立てに。皿にはピスタチオと藏光農園の梅の2種類のソースが添えられているが、意外な組み合わせの相性の良さもさすが。
なじみのあるショートケーキだが、横石氏が手掛けるとこうなるのか!と食感や味わいなど多彩な感動が詰まっている。優美なビジュアルにフォークを入れることを躊躇してしまうが、一度口にすると、すっと消えるような軽やかさ。あっという間に完食してしまうだろう。
フラットなカウンター席に座ると、目の前で繰り広げられるデセールが完成するまでの調理工程にも釘付けとなる。
「イチヂクタルト」
佐賀県にある富田農園が手掛ける黒イチジクを丸ごと1個使用したこちらは、目の前でサトウキビ100%のカソナードをまぶし、キャラメリゼして盛り付ける。タルト生地やドライイチジクのジャム、クリーム、ゼリーとのバランスも見事。「ジャムはドライフルーツから作ることで、より凝縮されたうまみや香りをお楽しみいただけます。ゼリーは、イチジクの葉から香りを抽出して作ったものです。果実よりも葉の方がより香りをしっかりと感じることができます」と横井氏。仕上げに、阿蘇のハーブ&ローズ園から仕入れる無農薬のエディブルフラワーを飾って完成。