梅雨の時期に悪化しやすい“気象病”とは? 医師に聞いた、頭痛など「今すぐどうにかしたい」症状の正しい対処法
気象病に効果の高い薬とは?
上記の対症療法を一通りおこなったものの、症状が消えなかった……。そのときは「薬」という対症療法が選択肢に入ってきます。 「症状が出たときの薬としては、五苓散という漢方薬と、意外に感じるかもしれませんが酔い止め薬がオススメです。 五苓散は“水滞”といって、頭痛やめまい、むくみなど水や血液の流れの滞りから起こる症状を改善してくれます。だから片頭痛、緊張型頭痛のどちらにも効きやすい。漢方薬は体質によって効きにくい人も多いのですが、五苓散は比較的多くの人に効きます。頭痛やめまいが出ている人は、五苓散が第一選択の薬となるでしょう。 五苓散は症状が出たときだけ飲む頓服薬として有効ですが、体質によっては頓服だけでは効果が出ない人もいます。その場合もすぐに『効かなかった』とやめるのではなく、まずは1~2週間ほど飲み続けてみてください。それで改善すれば、五苓散は内科などでも処方している薬なので、かかりつけ医に『処方してください』とお願いして予防的に飲まれると良いでしょう」 もう一つの選択肢は酔い止め薬になりますが、これはなぜ気象病に有効なのでしょう? 「実は気圧の変化を強く受けるのは耳なんです。飛行機に乗ったとき、耳がキーンとした経験がある人は多いと思います。あれは急な上昇または下降による気圧変化で、耳の中が押されたり緩んだりしているから。耳で変化を感じ、それが脳に伝わり、さらに脳から自律神経に伝わり不調が起こるんです。酔い止め薬は、その耳から脳に行く信号をブロックすることで不調を感じさせなくする薬。だから酔いを感じてから飲んでも、もう信号が脳に伝わっているので遅いんです。酔う前、つまり気圧が下がり始める前に飲む必要があります」 酔い止め薬はめまい軽減にはかなり効果が期待できます。が、一方で眠くなるという副作用もあります。 「酔い止め薬はたくさんの種類がありますが、基本的にどれも眠くなりやすいですね。めまいを我慢するか、眠くなるのを我慢するか、どっちを取るかという話になってきます。なので、半分から試してみるのが良いかと思います。それでも、効果はあるけど副作用が強いという場合は、寝る前に飲んでみるのも一つの方法ですね。朝、めまいが改善していることがあります。 市販の酔い止め薬でも効果はあると思いますので、めまいに悩まされている人は、一度この飲み方を試してみてください」