顧客セグメントを一定期間固定化するメリットとは? チームスポーツと進学校の例に学ぶ企画やアプローチを最大化する方法
評価期間内に行ったアクションの積み上げから、1人ひとりの継続率を算出します。下のグラフは、ある企業の継続率を算出した資料です。上位客ほど継続率が高く、低くなるにつれ休眠化が進んでいます。顧客グループによって継続率が異なるのがわかるでしょう。
□ 顧客の購買力
評価期間中における、継続率で分けた顧客1人ひとりの受注金額を見ることで、各顧客の購買力がわかります。
都度実績を確認し判断するのではなく、評価期間を決めてそのなかで継続率、購買力、購入間隔から顧客の優劣(評価)を判断します。算出した評価を過去から積み上げていくことで、CRMに重要な「継続」を加えた優劣のセグメント分けを行うことが可能になります。 □ 顧客の購入間隔 定期契約販売で売り上げの見込みが立てやすいのは、契約上購入サイクルが決まっているためです。これが大きなメリットでもあり、「都度販売」が敬遠される理由の1つでもあります。 しかし、購入のタイミングがわかったらどうでしょうか。同じ購入タイミングの顧客をグルーピングして企画・アクションを行えば、ヒットする確率は上がります。とはいえ、異なる顧客の購入間隔を見つけるのは容易ではありません。 そこで重要になるのが、「評価期間」と「継続率」です。評価期間内における顧客の継続率と購買力から、顧客の購入タイミングが見えてきます。コンスタントに購入しているのか、前の評価期間よりも購入間隔が離れているのか――。「都度販売」でも、おおよその継続率の高さによって購入間隔の近いグループに分けることが可能です。
顧客セグメントを固定することのメリットとは?
野球では、主力バッターは少々のスランプでもスタメンに起用されることが多いですが、それは他の選手より貢献確率が高いからです。これもデータに基づいた判断だと考えられます。 顧客セグメントも同様で、貢献度の高い(継続率の高い)顧客にはどんどん商品や企画を提案し、企業の良さを知ってもらいながら利益確保をめざします。少し購入間隔が空いてきた(継続率が落ちてきた)顧客には、復活してもらうために購入しやすい商品や企画を提案し、できるだけ顧客との接点を持てるようにします。 また、継続率の低い顧客は購入率も低いため、広告費用をかけてアプローチするなど、顧客の購買力がわかることで、それまでの戦略に「誰に」が加わり、より企画のイメージが作りやすくなります。 具体的なメリットについて解説します。 ■ 1. 効果的・現実的なCRM 顧客を正しく識別できると、「上位客が未購入」「購入がないと休眠客にランクダウンしてしまう」といった状態がわかり、対象の顧客にだけアプローチすることで効果的かつ現実的なCRMが可能になります。 □ 2. 大幅なコストダウン もし、6か月間セグメントが変わらなければ、あらかじめ6か月分のプランニングができます。連続したアプローチや個々の施策効率改善は前述の通りですが、製作や資材などをまとめて発注できれば、大幅な経費削減が見込めます。 □ 3. シナリオ事例