齋藤学「10」は空き番の横浜F・マリノス。電撃移籍は背信行為だったのか?
キャプテンと「10番」をレジェンド中村俊輔(39)から引き継ぎ、チームの顔と呼べる存在だったMF齋藤学(27)の電撃移籍に揺れる横浜F・マリノスが14日、横浜市内で新体制発表会を開催した。 約430人のファンやサポーターが詰めかけた会場内のスクリーンに映し出された、2018シーズンを戦う総勢30人の全登録選手のリストが、マリノスに発生している緊急事態を物語っていた。 背番号の小さい順にたどっていくと、柏レイソルから加入した「9番」のロンドン五輪代表FW大津祐樹(27)の次には、森保ジャパンの一員として中国の地でAFC U-23選手権を戦っている「11番」のMF遠藤渓太(20)が続く。 直前の12日に同じ神奈川県内にホームタウンを置く、J1王者の川崎フロンターレへ完全移籍で加入。サッカー界を驚かせた齋藤が背負っていた「10番」は、直前に持ち主が不在となった状況で、新たなシーズンへ船出することになった。 振り返れば、昨年の新体制発表会も「10番」だけでなく「11番」も空き番のまま開催されていた。前者はジュビロ磐田へ電撃移籍し、サッカーを激震させた俊輔。そして後者はヨーロッパへの移籍を望み、昨年1月末で満了となる契約を更新していなかった齋藤だった。 練習生の肩書きでマリノスの練習やキャンプに参加していた齋藤は、ヨーロッパの冬の移籍市場が閉じたことを受けて海外移籍を断念。2月に入ってマリノスと再契約し、俊輔に断りの電話を入れたうえで、キャプテンと象徴でもあった「10番」を引き継いだ。 もっとも、ここで重要となるのが契約の年数だ。複数年契約を結んでいた齋藤は最終年となる2016シーズンに、プロ8年目で初の二桁ゴール(10得点)をマーク。Jリーグアウォーズでもベストイレブンに初選出された。 心技体でもっとも充実している年齢に差しかかっていることを考えれば、再び複数年契約を結ぶのが自然の流れとなる。しかしながら、マリノスとは単年契約が交わされたため、今回のフロンターレ入りは移籍金が発生しない、いわゆる「ゼロ円移籍」だったと見られている。