伏見工業から校名変更でも…「信は力なり」 京都工学院ラグビー部、悲願の花園へ
■「ピラニアタックル」に阻まれ…
京都府予選・決勝戦前日の11月9日。京都工学院は最後の調整を行なっていた。 大島監督 「戦う準備は、やってきているから、お前らが力を発揮したら、負けることはない!25人じゃないぞ、106人で戦うぞ。明日、全員で工学院の新しい歴史作ろう!」 ジャージ授与式。試合に出られない3年生がジャージに思いを託し、同じポジションの仲間へと手渡していく。 杉山選手 「(Q.10番という背番号をもらってどうですか?)やっぱり赤黒の10番は偉大な選手たちが着ているので、すごく誇りに思いますし、10番としてしっかり明日の試合、ゲームメイクしたいと思います」 広川キャプテン 「成章を圧倒できるって言えるほど自分達はやってきたから。明日はそれを信じて、106人全員で花園行きましょう」 花園まであと1勝、ついに決戦の日が来た。 広川キャプテン 「(Q.決勝戦に向かう意気込みは?)ひたむきに、タックルとブレイクダウンで仲間のためにも勝ちたいと思います」 京都府大会、決勝は10年連続同じ顔合わせ。相手は長きにわたるライバル・京都成章。伏見工業時代から数えて8大会連続で花園への出場を阻まれている因縁の相手だ。勝てば憧れの聖地へ。負ければ3年生は引退となる。 かつて弱小ラグビー部だった伏見工業を強豪校へと育て上げた山口総監督が、スタンドから見守る中、キックオフの笛が鳴る。 試合は一進一退の攻防。スクラムで優勢に立った京都工学院。相手のアタックにプレッシャーをかけウィング石塚選手がジャッカルを決めた。スタンドオフ杉山選手が、冷静にペナルティーゴールを決め3点を先制した京都工学院。 このまま勢いに乗ろうとラインアウトから大きく展開し積極的に攻撃をしかける。だが、その執拗(しつよう)さから「ピラニアタックル」と呼ばれる京都成章の鋭いディフェンスに阻まれ、前進することができない。 前半は、京都工学院が3点のリードを守り試合を折り返す。だが、後半開始直後に自陣ゴール前で反則。ペナルティーゴールを決められ、同点に追いつかれる。