第93回選抜高校野球 上田西、悲願の夢舞台 強力打線で旋風を(その1) /長野
第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の代表32校を決める選考委員会が29日、オンラインでリモート開催され、県内からは昨秋の北信越大会で準優勝した上田西(上田市)の出場が決まった。3回目の甲子園で、春は初出場。県勢の出場は2015年の松商学園(松本市)以来6年ぶりとなる。大会は3月19日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する。組み合わせ抽選会は2月23日。【皆川真仁】 ◇「この日を待っていた」 午後4時、本美伊佐夫校長の携帯電話に春の便りを告げる着信音が響いた。選考委員会からの出場決定の連絡。「ご連絡ありがとうございます。ありがたくお受けいたします」。県勢は6年ぶり、同校初となるセンバツ切符をつかみ取った。校舎には毎日新聞社が寄贈した懸垂幕が掲げられムードを高めた。 吉崎琢朗監督(38)から同校グラウンドで出場決定を伝えられると、選手たちは喜びを爆発させた。主将の柳沢樹(2年)は「本当にうれしい。北信越の代表として身が引き締まる思い」と気持ちを新たにした。エースの山口謙作(2年)は「この日をずっと待っていた。うれしいの一言です」と喜びをかみ締めた。前主将の清水怜(3年)は喜ぶ後輩たちの姿を屋内練習場から見守り、「ちょっと悔しいですね」と苦笑い。「自分たちが持っていなかった勝負強さを持っている。厳しい戦いになると思うけど、諦めずに接戦で勝てる試合をやってほしい」と期待を込めた。 初のセンバツ出場に野球部の関係者たちも胸を高鳴らせた。OB会長の大塚正博さん(65)は「本当にうれしい。新型コロナウイルスで大会がなかった3年生の分も頑張って」。保護者会長の片平知之さん(48)は「感無量。挑戦者のつもりで思い切り悔いのないようにやってもらいたい」とエールを送った。 目標は同校初の甲子園ベスト8入り。吉崎監督は「西高野球部の新しい扉を開けるのは非常に喜ばしい。一球に気持ちを込めるようなプレーをしていきたい」とひのき舞台を心待ちにしていた。 ◇毎日新聞が号外 上田西のセンバツ初出場を伝える毎日新聞の号外約1000部が29日、同校に届いた。保護者や生徒らに配布される予定。号外を受け取った本美伊佐夫校長は「今日は一日ハラハラドキドキでした。号外を頂けて、出場の実感が湧いてきました」と笑顔を見せた。【坂根真理】