料理家の山田英季さんがかっぱ橋で探す、製菓道具とキッチンツール。
料理上手に導いてくれる逸品を探して、いざ日本随一の台所道具問屋街へ。案内役は料理家の山田英季さん。選び方の極意も教わります!
[製菓道具]@馬嶋屋菓子道具店
小さな抜き型ひとつにも宿るものづくりの手技を楽しみたい。
「どら焼きの生地を焼く用の丸さじとかフィナンシェの型とか、専門性の高い道具に出合えるのが楽しいんです。そういうニッチなものを、本来とは別の用途に使うこともよくありますよ」 と山田さん。 『馬嶋屋(まじまや)菓子道具店』は、約1500個の抜き型をみっちり吊るしたクッキータワーが、人気撮影スポットにもなっている店だ。 「どら焼きさじは、煮物を取り分ける時にぴったりだし、粉を混ぜるスケッパーは、ネギのみじん切りに役立ちます。フィナンシェ型はバターの塊を入れてトーストに添えて……。あ、これは有名な亀戸の『松永製作所』製だ。値段も手ごろなのにとてもきれいです」 小さな型の隅の隅までキリッと丁寧に作られていて、日本のものづくりの技術や精度の高さに感心させられる。クッキータワーの地下部分に吊るされた抜き型も、馬嶋屋のスタッフが一つ一つ手で作ったもの。山田さんは縁起のいい和のモチーフをチョイスした。 「これで野菜を型抜きするだけで、煮物がちょっと楽しくなる。道具天国かっぱ橋ならではの買い物ですよね」
ニッチな製菓道具を自分流の使い方で楽しんでみる。
「来客時の汁物や煮物の取り分けに。浅めで広いさじがこんなに掬いやすいなんて……という感じ。木柄付きもあるようですが、僕はこのまま。柄の短さもいいんです」。
「テーマを決めていくつか揃え、野菜を型抜きすると楽しい。今日選んだのは日本の伝統モチーフです」。
「塩や胡椒を入れる小皿にしたり、来客時にバターを置いて焼いたパンと一緒に出したりします」。
「こういう凝った型でコーヒーゼリーを作って脚付きの皿にのせたら、プリンみたいでかわいいと思うんです」。
「リンゴを使う時、種の周囲だけくるっとくりぬけるので無駄が出なくてうれしい。野菜を丸くくり抜いてもよさそう」。