東京学館が技巧派ぞろいの専大松戸を2-0で撃破 「高校生らしくてかわいいですよ」東京学館・平迫監督が目を細めた理由とは
令和6年度関東高等学校体育大会千葉県予選サッカーの部の準々決勝4試合が29日、千葉県内2会場で行われ、東京学館と専修大学松戸(以下・専大松戸)が対戦した。 【フォトギャラリー】東京学館 vs 専大松戸 前半13分、セットプレーの流れからDF3木村輝(3年)がゴール前にクロスを上げるとFW9宮田都碧(3年)がこれに合わせ東京学館が先制に成功。 テクニックに勝る専大松戸は細かいパスをこらした連係で崩しにかかるなか、前半21分、MF24佐藤凌哉(2年)がドリブルでペナルティエリア内に進入しシュートも枠外。23分にはセットプレーからFW21村上維甫(3年)がチャンスを作ったが、GK1加藤蒼唯(2年)にセーブされ、あと一歩まで迫った。専大松戸は攻めるも東京学館の前を向かせない粘りのある守備で自由にやらせてもらえず、攻撃に苦慮し前半を終了した。 迎えた後半開始1分、専大松戸はセットプレーからDF3坂田匠(3年)が頭で合わせ、機先を制し、主導権を握りかけた。しかし東京学館は同9分、MF11田尻一真(3年)のゴール前のクロスにMF19鈴木蒼生(3年)が競り合いに勝ち、頭で押し込んで2点目。貴重な追加点をあげた。 追いつきたい専大松戸だが地上、空中ともに堅い守備で東京学館にはじき返される。意地を見せたい専大松戸は38、39分と2度のチャンスを演出し、追いすがるがゴールは遠く試合終了。 東京学館が2-0で専大松戸を退けベスト4進出を決めた。 勝った東京学館・平迫宣之監督は「うまい選手はいないけど、チーム全員で勝って進んできました。よく相手の勢いを殺して頑張れたと思います」と話す通り、ボールの即時奪還が徹底された印象だ。 これを裏付けるようにDF3坂本は守備について「相手はつないでくるチームなので、ボールの出どころにプレッシャーをかけて、(攻撃の芽を)つぶしていきました。また相手FWに仕事をさせなかったことで攻撃のリズムを作らせなかったのが大きかったです」と言葉通りの展開となった。 加えて先制点をあげたFW9宮田は前線からのプレス、そして一度、後ろに下がって守備をしてからすぐさま前線に戻るなど、滅私奉公のストライカー。平迫監督は「ホントに頑張りました。彼はファイターです」と称えた。 そのFW9宮田、試合中は守備だけでなく、味方がボールを奪ったとき、裏のスペースに出ることを意識しプレーしたという。「(東京学館は)点を取るチームというより守備のチーム。無失点で終えたことは良かったことですし、複数得点取れたことは良かったです」と喜んだ。 そのなか試合を取材して、気付いてしまったことがある。 東京学館のスタメンの大半が坊主頭に近い髪型だったこと。事情を聞くと「誤解のされないように」「勘違いされないように言いますが」と念押されたうえで、決して強制ではなく、あくまで3年生を中心としたいわば、選手間の気合いの現れ。平迫監督によれば、これはサッカー部だけでなく、バレーボール部でも行われているそうだ。 「3年生のクラスを受けもっていますが、教室が坊主頭ばかりになって(笑)」と平迫監督。 「選手たちは気持ちが入っていますよ。(その姿や気持ちが)高校生らしくてかわいいですよ」と目を細めた。勝ちたい気持ちが堅守に宿った、完封勝利となった。 なお、東京学館は29日に関東大会進出をかけて習志野と対戦する。 (文・写真=佐藤亮太)