孫泰蔵氏らが自治体を変えるXinobiAI設立 AIエージェントを最速で実現
生成AIの進化が目覚ましく、人間が命令したことは何でもやってくれる「AIエージェント」が2025年には登場してきそうだ。これまでの生成AIは「何かについて教えてください」と検索や質問をすると、即座に返事が返ってきていたものの、答えの実行まではしてくれなかった。一方AIエージェントは検索、質問の返事をするだけでなく、手続きの申請や問題の解決までやってくれる。 【写真を見る】孫正義の弟! 孫泰蔵氏の経歴と写真 こうしたプロダクトを世界最速で実現しようと、孫泰蔵氏、馬渕邦美氏は共同代表CEOとしてAIスタートアップ「XinobiAI」(シノビエーアイ)を12月5日に創立。東京都内で記者会見をした。孫共同代表は「まだ世界でどの企業もできていないAIエージェントを、来年中には実装させたい。これが達成できれば、行政を含めて人手不足の解消に大きく貢献し、社会を根本から変えることができます」(孫共同代表)と話し、実現に強い意欲をみせた。孫・馬渕共同代表に今後の展望をインタビューした。
孫泰蔵氏「行政手続きをなくしたい」 真意は?
孫共同代表は「行政手続きをなくしたい」と意気込む。 例えば引っ越しをしたときに、住民票や健康保険証などは異動届けを出して住所を変更しなければならない。これまでの生成AIならば「引っ越しの際に、どういう手続きが必要か」と質問すると「住民票の異動届などは、市役所の何番窓口に行って手続きをしてください」とは答えてくれるものの、異動届までは出してくれなかった。しかし、AIエージェントが実装されていれば、これが画期的に変わる。 孫共同代表は「『手続きもよろしく』と言っておくと、全てAIが自発的に異動届まで出しておいてくれるので、文字通り『エージェント』になるわけです」と説明した。ただし、その自治体のデジタルシステム対応ができていることが前提になる。 新幹線の切符の予約などは、自分が乗りたい時間帯の切符が取れるかどうかを検索したら、切符の購入までしてくれる。まさに優秀な秘書がいるのと同じになるのだ。こうしたことが全て音声対応でできるので、いちいちキーボードを打つ必要がなくなる。 孫共同代表は「行政は手続きの集合体です。自治体にAIエージェントが導入されれば、公務員の働き方は大きく変わり、面倒な手続き業務から開放されて、住民に寄り添う本来の仕事ができます。学校の教員も雑務をしなくてよくなります」と話す。行政自治体への実装に期待を寄せている。 馬渕共同代表は昔と現在のAIの違いについて「これまでのAIは道筋を立ててやらなければ動きませんでした。今度のAIは一度音声で指示したら、後は自分で考えて自動的に進んでいくので、圧倒的に使い勝手が良くなっています。自然言語で普通に話しかけるだけで動かせるので、専門家でなくても簡単に操作できます」と指摘する。