ローマ字で書いたって英語じゃなきゃ意味不明! 訪日外国人の増加に伴って密かに「標識」の表記が変化していた
地名の表記もどんどん変更中
また、行き先や交差点名などを示す「案内標識」のローマ字表記も、2013年8月から改善が実施されている。 以前は、たとえば千代田区永田町の「国会前」には「Kokkai」とのローマ字が併記されていた。だがKokkaiといわれても、おそらく95%ほどの外国人観光客にとっては意味不明であるはず。そして残る5%の中途半端に日本語を知っている者は、同乗者に「Kokkaiとは黒海、すなわちBlack Seaのことです。ここを左折すると、ウクライナのオデーサあたりに着きます」などと、誤った情報を発信していた可能性もある。 だが現在では、国会前(Kokkai)は「国会前(The National Diet)」という併記方法に変更されている。DietよりParliamentのほうがいいのでは? という気がしないでもないが、それでも「Kokkai」と比べれば1億倍は伝わりやすいだろう。 これと同種のものとしては、たとえば以下のような変更が都内各所で実施済みである。 旧)銀座通り口/Ginzadoriguchi → 新)銀座通り口/Ginza-dori Ave. Entrance 旧)貿易センタービル前/Boekisentabirumae → 新)貿易センタービル前/Trade Center Bldg. 旧)新宿御苑/Shinjukugyoen → 新)新宿御苑/Shinjuku Gyoen Natl. Garden 旧)万世橋/Manseibashi → 新)万世橋/Manseibashi Bridge なお、「飯田橋」は現在でも「Iidabashi」だが、すぐ隣の「神田橋」は「Kanda Bridge」という「Bridge付き」の表記になっている。これは、飯田橋が「橋」というよりも「地名」として定着しているのに対し、神田橋は実際の「橋」なのでBridgeを付けているというロジックだ。 また、そのほかでは「観光地に隣接する交差点名標識に観光地名称を表示する(例:「南4西4/South 4 West 4」から「すすきの/Susukino」に変更)や、「高速道路を路線番号で案内する『ナンバリング』の導入」等々の打ち手により、ここ最近の道路標識はめざましく進化しているというか、「外国人観光客にもある程度わかりやすいもの」へと変わってきているのだ。 それでも「指定方向外進行禁止」標識の下にある補助標識に「大型等9-16/18-翌7/大型等以外の車両 終日」などと書かれている部分は外国人にとっては「ほぼアラビア語」であるため、これを原因とする混乱や事故は発生するのかもしれない。また、ずらずらと書かれている日本語を、限られたスペースのなかでどのように欧文表記すればいいかも、残念ながら筆者はノーアイディアである。 とはいえこの部分が何らかの革命的手法によって改善されれば、日本語が不得手なドライバー各位もいま以上に運転がしやすくなり、また当該ドライバー自身を含む我々全員の安全も、保証されやすくなるはず。 道路標識全般のさらなる進化と補助標識に関する何らかの革命的表記方法が発明されることを、静かに期待したい。
伊達軍曹