【京都のおすすめホテル・ディナー】アマン京都の極上日本料理店で夏の味をいただく
京都生まれ、京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければ、この人に聞けばハズレなし!そんなアマジュンこと天野準子の絶品満腹口福アドレス。6月はホテル・ディナー特集、今回はアマン京都の日本料理店「鷹庵」をご紹介 【写真】アマン京都「鷹庵」調理前の食材をゲストに披露してくれることも
鷹峯 アマン京都「鷹庵」
今やオフシーズンはないのでは?と言われるほど、1年を通して旅行者で賑わう京都。人気のレストランや割烹のなかには、数ヶ月前後まで予約が埋まっているという店もあり、思い立って急きょ京都に行ったり、旅はノープラン派という方は、ディナー探しに困ることも。 そんな時に心強いのが、「明日、行きたい」なんていう急な予約や食の多様性にも柔軟に対応してもらえるホテルの存在だ。 観光客で賑わう街中を離れ、車を北へ走らせること約20分、左大文字山から続く鷹峯三山の麓にある森の庭に「アマン京都」が佇んでいる。緑が生い茂る入り口を進むと、一つ目の門が現れ、さらに進むと正門にたどり着く。今回紹介する「鷹庵」は、ホテルの日本料理店ながら、この正門の外にあり、まるで独立した店舗のような佇まいを見せている。 「アマン京都」は2019年、プライベートリゾートとして開業したが、開業当初から、「鷹庵」は宿泊客以外も訪れやすい店にしたいという思いで、あえて正門の外に店を構えたという。
「鷹庵」の総料理長を務めるのは、金沢の料亭「銭屋」の主人、髙木慎一朗さん。髙木さんは、高校時代をアメリカで過ごし、大学卒業後、「京都吉兆」で修業を積む。その後、金沢に戻り、父の創業した「銭屋」に入り、ミシュラン二つ星に導いた。 豊かな国際感覚を持ち、世界のホテルやレストラン、企業からオファーを受け、海外を飛び回り、日本料理の普及にも一役買っている。 鷹峯は、江戸時代初期、本阿弥光悦が芸術村を作った場所であり、琳派発祥の地としても知られている。髙木さんにとって本阿弥光悦は憧れの存在であり、この地で仕事をすることになり、思いもひとしおだそう。 「本阿弥光悦は、刀剣の研磨や鑑定を家職としつつ、書家・陶芸家・画家・茶人など多彩な顔を持つアーティスト。そして、どの分野にもしっかり軸を持ち、本筋は外さず、独特の世界観を確立された名プロデューサーでもありました。私も、光悦にちなみ、本道を外さず、一歩踏み込んだ新しい料理を提供したいです」。 とは言え、奇をてらうという意味でなく、素材に手を加えすぎず、なるべく本来の持ち味をストレートに出す料理を信条に「何を食べているかわかる料理を意識しています」と、髙木さん。