全国常連の名門校も“選手にとっては初出場”…インハイ4強の昭和学院はさらなる成長誓う
■ 固さが見られた初戦「緊張のあまり…」
「顔がこわばってるというか、やっぱり慣れてないというのがありましたね」 8月4日から9日にかけて熱戦が繰り広げられた「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。初戦となる2回戦の聖カタリナ学園高校(愛媛県)との試合をこう振り返ったのは昭和学院高校(千葉県)の鈴木親光コーチだ。 試合は、動きに硬さが見られた昭和学院が第1クォーターから3点のビハインドを負う展開に。それでも第2クォーターにはプレーに好不調の波がありながらも逆転に成功すると、落ち着きを取り戻した後半には分厚い攻撃を披露し、一気に点差を広げた(92-60)。 試合後、「緊張のあまり何をしているのか分からないような感じで前半が進んでいったと思います」と、鈴木コーチは語った。無理もないだろう。「自分たちは全国大会が初めてなので、それに圧倒されて出だしが全然うまくいきませんでした」と、キャプテンの月松蒼(3年)が言うように、チームとしては55回の出場を誇るが、インターハイ出場は実に3年ぶり。ここ2年はインターハイだけでなくウインターカップでの出場も果たせずにいたため、選手にとっては初の全国大会だったのだ。 ただ、聖カタリナ学園戦の後半から「中外のプレーができてきて、やっと落ち着いたかなと思います」(月松)と、どこからでも点の取れる強みを生かした昭和学院。九州チャンピオンの精華女子高校(福岡県)との3回戦でも3ポイントシュート5本を含む23得点を挙げた前田珠涼(3年)を筆頭に、コート上の5人がバランス良く攻めて前半を12点リードすると、最後は精華女子の猛追をしのぎ、75-73で競り勝った。続く北信越覇者の鵬学園高校(石川県)との準々決勝でも総合力の高さを見せて第1クォーター終盤から加速すると、第4クォーターで山下笑伶奈(3年)がファウルアウトと苦しい展開となりながら、82-80で勝利をものにした。 これでチームの目標であるベスト4入りを果たした昭和学院。インターハイ2連覇中の京都精華学園高校(京都府)との準決勝では、最終的に70-75で敗れたものの前半は4点リード。逆転された後半も第3クォーターの終盤まで僅差の戦いを演じるなど、前回覇者に一歩も引くことはなかった。