全国常連の名門校も“選手にとっては初出場”…インハイ4強の昭和学院はさらなる成長誓う
■ 準決勝で見えたチームの課題
今年の昭和学院は、全国大会初出場の選手たちとはいえ、6月の関東大会では準優勝。181センチの山下、175センチの石井杏奈(2年)といったU17女子日本代表でもある2人がインサイドで強さを発揮し、内外とオールラウンドな攻めを見せる月松に、鋭いドライブから攻撃を仕掛ける前田、そしてアウトサイドシュートを持ち味とするガードの藤松柚乃(2年)と、個々の能力が高い選手がスターターを担う。そのため、インターハイの前評判も決して低くはなかった。それだけに、実力をしっかりと出してチームの目標を達成したともいえる。 準決勝後、鈴木コーチは「今日も最後は単発(な攻撃)だったのですが、少しチームとして何かをやろうという雰囲気が見えてきたのが最近。6月の関東大会の頃より少しは我慢できるようになったと思います。ただ、今日(準決勝)の第3クォーターのように自分でどうにかしようという気持ちがあるのはいいのですが、我慢しきれなくなったときに少し協力をしてほしかったですね」と、6月以降のチームの成長と、それを踏まえた上での課題を語った。 今回のインターハイを経て、チームは8月31日からはじまる「U18日清食品トップリーグ2024」の出場が決まった。約2カ月間にわたって行われる全国トップチームとの対戦は、チームにとって、また選手個々にとっても大きな経験となるだろう。 9月からは過去2年間、悔し涙を逃したウインターカップ千葉県予選も始まる。「県大会を勝って、冬の全国大会ではコツコツコツコツ、一戦一戦を大切に戦ってベスト4、そして優勝したいと思います」と山下。月松も「全国に出られるのは当たり前ではないということをこの2年間で経験したので、県大会でもしっかり点差をつけて勝ち切って、ウインターカップでも結果を残せるようにしたいです」と力を込めた。 福岡の地で『昭和学院健在』のインパクトはしっかりと残した。自信にもつながった夏の戦いをプラスに、『最強の初出場軍団』は冬のさらなる飛躍を誓った。 取材・文=田島早苗
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