【クラファン最前線】1億円オーバー達成のプロジェクトも! 成功する秘訣、残念な結果に終わる理由
クラファン初心者が知っておきたい「成功させるコツ」とは?
今、クラウドファンディング(以下、クラファン)がすごい。支援や資金調達などのさまざまな目的で利用されており、東京都では事務手数料の一部を助成する「クラウドファンディング活用助成金」も生まれ、事業拡大をブーストさせる一助にもなっている。 【画像】大成功! 最近話題のクラファン…「社内でも応援する声が多かった」 中には、目標金額達成率が100%、1000%を超え、数千万円規模の支援を募るプロジェクトもある一方で、残念な結果に終わるプロジェクトも……。その違いは一体何なのか? ◆目標額未達でも「失敗」と言えないワケ 「成功かどうかを達成率で判断されがちですが、これはひとつの指標にすぎません。100%に届かなくても、支援金以上のリターンを得るケースもありますし、支援金だけがクラファンの魅力ではないと考えています」 そう話すのは、(株)CAMPFIREの加藤春菜さん。エンタメ領域で、企画から実施までを一気通貫&伴走し、過去には1億円オーバーのプロジェクトにも携わったことのある名プロデューサーだ。 ’11年に、国内で購入型クラウドファンディングとしてスタートした同企業。当初は訝しげに見られることもあったというが、スタイルを変えずに事業を続けることで、少しずつ利用者を増やしていき、コロナ禍で爆増。 一般企業、個人店、NPO団体、学校、行政、地方自治体など、一気にすそ野が広がった。その後、度々訪れた自然災害の復旧を目指す災害支援機能としての一面も確立した。 現在は、シェア率48%と業界トップを走り、累計プロジェクト数は9万件、累計支援金額は880億円以上(6月17日現在)。毎月1000件以上のプロジェクトが生まれている。 「確かに、達成率100%以上のものもあれば、未達のものもたくさんあります。 しかし、そもそもクラファンには『オールイン方式』(目標金額未達でも集まった支援金を受け取れる)と『オールオアナッシング方式』(目標金額を達成した場合に支援金を受け取れる)があり、9割がオールイン方式です。 ですから、『目標金額が集まらなかった=失敗(目的実行ならず)』とは言い切れません。 さらに最近の傾向としては、必要最低限の金額を目標に設定して、達成したらネクストゴールを設けるケースが増えました。全体的に100%達成がしやすくなったと言えます」 また、プロジェクト期間中のPRに力を入れることで、支援金以外の“副産物”を生む可能性も秘めている。さらに、プロジェクトページは期間終了後も掲載されるため、情報が集約されたLP(ライティングページ)としても機能するという。 「あるインフルエンサーは、プロジェクト中に行ったライブ配信が出版社の目にとまり、本の出版が決定したこともありました。 また、目標金額達成ができなかった場合でも、メディアに取り上げられたために、プロジェクト終了後に反響を得たケースもあります」 こういった過去の事例から考えても、「達成率が100%に満たないからといって、プロジェクト失敗とは言えない」のだ。