【クラファン最前線】1億円オーバー達成のプロジェクトも! 成功する秘訣、残念な結果に終わる理由
「ドアラ」、「温泉シャーク」……注目を集めたプロジェクトは
最後に、ここ最近のユニークなプロジェクトをいくつか紹介してもらった。 ■「私が所属するエンタメチームでは、特にゲーム領域が活発で、数千万円から億単位の支援金が集まることも少なくありません。ファンにとっては公式の推し活という感覚で協力しやすいのだと思います。最近では、中日ドラゴンズさんのドアラの30周年を記念したプロジェクトが印象に残っています」 周年記念はクラファンを行いやすいタイミング。ネクストゴールでは、ドアラの大好物の食パンのプレゼントも追加された。ファンのエンゲージメントを高める効果も期待できたケース。 ■「温泉地で、特撮のサメ映画を作りたいという『温泉シャーク制作プロジェクト』では、支援者を映画作りに巻きこむリターンを作り、たくさんの支援金が集まりました」 「1000円支援するごとに、画面に登場するサメが1匹増える」などの、支援しやすくユニークなリターンがウケた。目標金額を大幅に上回って製作費が増えたおかげで、映画の内容が変わっただけでなく、上映館も増えたという。 ■「ソーシャルグッド領域のいいお手本となったのが『母乳バンク』のプロジェクトです。母乳バンク自体の知名度アップにもなりました」 1500g未満で生まれた極低出生体重児は消化器官が未熟で母乳しか飲めないが、何らかの理由で母乳を与えられないお母さんも。そんな親子を救うために立ち上げられた。 「プロジェクト開始後、担当の医師はX(旧Twitter)で毎日クラファンに関することをつぶやかれていました。 ひたむきにPRされる姿勢に心打たれたのはもちろんですが、オールオアナッシング方式を選ばれていたこともあって、社内でも応援する声が多かったですね。 ただ、やはり努力は報われるのだな、とも思いました。大きな目標金額を設定されていましたが、コツコツPRすることで徐々に協力者を増やしていきました。本気でクラファンと向き合っていることが、支援者にも伝わったのだと思います。 クラファンのプロジェクトには、それぞれにストーリーがあります。オーナーの想いや行動が反映された濃いストーリーになればなるほど支援者が増え、支援金は後からついてくるような気がします。 今後、クラファンの立ち上げを考えている人は、目標金額を達成することよりも、後悔のないプロジェクトにするよう意識して取り組んでいただきたいですね」 取材・文:安倍川モチ子 WEBを中心にフリーライターとして活動。また、書籍や企業PR誌の制作にも携わっている。専門分野は持たずに、歴史・お笑い・健康・美容・旅行・グルメ・介護など、興味のそそられるものを幅広く手掛ける。
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