【博多ストーカー殺人】男が法廷で語ったこと 被告人質問の内容を詳しく③「終わったな、人生が」「死のうと思ったが怖くて」裁判員も質問「被害者に声をかけたのはなぜ」
「声をかけたのはなぜ」裁判員の質問に
被告人質問は4日目となる6月21日にも続きました。この日は裁判官や6人の裁判員から、寺内被告に質問が投げかけられました。 裁判員2番「黒いトートバッグに包丁が2本入っていることを被害者はご存じでしたか。」 寺内被告「ご存じではないですね。」 裁判員2番「被害者は常に持っていることは知らなかったんですか。」 寺内被告「知らなかった。」 裁判員6番「事件当時は金がなく、苦しかったと言っていましたが、事件前日に友人と飲んだ時はお金はどうしたんですか。」 寺内被告「おごってもらってましたね。」 裁判員6番「(事件後に行った)後輩の店でもですか。」 寺内被告「そうですね。」 裁判員6番「事件前のパチンコではどのくらい使いましたか。」 寺内被告「5000円です。」 裁判員6番「結果はどうでしたか。」 寺内被告「負けましたね。」 裁判員3番「禁止命令後は会わないようにしていたのに、事件当日、被害者を避けずに声をかけたのはなぜですか。」 寺内被告「それは分かりませんね。」 裁判員4番「被害者と会ってついて歩いていた、その時、ついて歩いたり話したりしたらダメと思っていましたか。」 寺内被告「その時はそうですね…自分も興奮していて。」 裁判員4番「被害者と歩いている時、『ストーカーに当たる』『警察に通報する』などと言われましたか。」 寺内被告「そういうニュアンスで言われたと思うが、はっきり覚えていません。」 裁判員3番「事件後、すぐ自首しなかったのはなぜですか。」 寺内被告「頭が真っ白になって、どうすればいいか自分でも分からず、早めにしとけば良かったんですけど、行けなかったという気持ち。」
裁判員の率直な質問に対し、寺内被告も素直に答えているように見えました。最後に、冨田敦史裁判長が体調について尋ねました。 裁判長「去年1月(事件当時)と、ことし6月、当時と今の違いは健康面でありますか。」 寺内被告「そうですね、人としゃべっていない分、何て言うか。」 裁判長「話ができなくなった?」 寺内被告「会話が分からなくなった。」 裁判長「バーで働いていたころはどうでしたか。」 寺内被告「ペラペラとしゃべってました。」 裁判長「体力はどうですか。」 寺内被告「ガリガリになりました。」 裁判長「どのくらい痩せたんですか。」 寺内被告「4~5キロくらい。」 裁判長「当時は体を鍛えていたんですか。」 寺内被告「鍛えてはいなかったんですけど、筋肉がありました。今は痩せて骨がポキポキって鳴ったりします。」 裁判長「気力や精神的な面はどうですか。」 寺内被告「精神的にも、ちょっと人見知りみたいになった。」 4日間にわたって行われた寺内被告への被告人質問は、こうして終わりました。短く一言で答える場面が多く、くぐもった声は質問が続くと小さくなりましたが、声のトーンが変わることはほとんどありませんでした。寺内被告が当時、何を考え、どんな感情を抱いていたのか。すべてのやりとりを聞いた記者の中で、その答えは焦点を結ばないままでした。
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