【博多ストーカー殺人】男が法廷で語ったこと 被告人質問の内容を詳しく③「終わったな、人生が」「死のうと思ったが怖くて」裁判員も質問「被害者に声をかけたのはなぜ」
「刺してしまった」→牛丼店へ
記憶がないと答えることも多かった寺内被告ですが、口論の最中、被害者が通報しようとする様子を見た後、事件が起きていたことが分かりました。 弁護側「その後、はっきりしているのはどんな記憶ですか。」 寺内被告「川沿いに行った記憶。」 弁護側「突き刺した後ですよ。被害者が倒れているのを見た記憶はありますか。」 寺内被告「はい。」 弁護側「どんなふうでしたか。」 寺内被告「背中を向けて。」 弁護側「うつ伏せということですか。」 寺内被告「はい。」 弁護側「被害者はどんな様子でしたか。」 寺内被告「倒れている状態。」 弁護側「それを見た時の自分の様子や体勢は。」 寺内被告「覚えてません。」 弁護側「突き刺したという包丁はどこにありましたか。」 寺内被告「トートバッグの中。」 弁護側「気づいたらトートバッグの中にありましたか。」 寺内被告「はあ。」 弁護側「握っている記憶はないですか。」 寺内被告「はあ。」 弁護側「道路に倒れている被害者を見て、自分が包丁を握っている記憶はありますか。」 寺内被告「ありますね。」 弁護側「どっちの手に持っていましたか。」 寺内被告「右利きなんで右に。」 弁護側「柄の部分はどんなふうに握っていましたか。」 寺内被告「こういうふうに。」(※逆手に握るジェスチャーをする) 弁護側「被害者と、包丁を持っている自分を見て、何が起こったと思いましたか。」 寺内被告「刺してしまったと。」 弁護側「被害者はどういう状態だと思いましたか。」 寺内被告「倒れている状態で分からない。」 弁護側「死んだと思いましたか。」 寺内被告「死んでしまったと思った。」 弁護側「殺してしまったと思いましたか。」 寺内被告「はい。」
その後、走って逃走する寺内被告の姿が、現場付近の防犯カメラの映像に残っていました。どこに向かったのかも、質問で明らかになりました。 弁護側「その後、川沿いに向かいましたか。那珂(なか)川の。」 寺内被告「はい。」 弁護側「(事件現場の)コンビニから川沿いまで距離がありますが、どこかに寄ったりはしましたか。」 寺内被告「牛丼店に行った。」 弁護側「どこのですか。」 寺内被告「博多警察署の近くの。」 弁護側「コンビニから歩いて?走りましたか。」 寺内被告「分かんないっすわ。」 弁護側「牛丼店に行ったのはなぜ。」 寺内被告「タバコ吸って落ち着くため。」 弁護側「やばい、やばいと思ったということですか。」 寺内被告「はい。」 弁護側「やばいとは?」 寺内被告「やってしまった。」 弁護側「牛丼店に入ってタバコを吸ったんですか。」 寺内被告「はい。」 弁護側「どこで。」 寺内被告「トイレで。」 弁護側「何本ですか。」 寺内被告「3本くらい。」 弁護側「吸いながら、どういうことを考えましたか。」 寺内被告「終わったな、人生が。」 弁護側「被害者の?あなたの?」 寺内被告「どちらとも。」 弁護側「川沿いは、目指して行きましたか。」 寺内被告「目指しました。」 弁護側「どうして川沿いを目指したんですか。」 寺内被告「そんなん知らん。」 弁護側「川沿いに着いて、それからどうしましたか。」 寺内被告「(持ち歩いていた)もう1本の包丁で死のうと思ったけど死ねなくて、川に(包丁を)投げ捨てて泣いてました。」 弁護側「護身用の2本のうちの1本と思うが、刺した包丁はその後どうしましたか。トートバッグにありましたか。」 寺内被告「はい。」 弁護側「いつ入れたんですか。」 寺内被告「いつ?刺した後、コンビニの前。」 弁護側「川沿いに行って死のうと思って、具体的にどんな行動をとりましたか。」 寺内被告「胸を刺して死のうと思ったが、怖くてできなかった。」 弁護側「刺した包丁ではない方で。」 寺内被告「はい。」 弁護側「その包丁はどうしましたか。」 寺内被告「川に捨てた。」 弁護側「なぜ。」 寺内被告「分かりません。」 弁護側「刺した包丁はトートバッグに入っていましたが、なぜですか。」 寺内被告「自首する時に必要だと思って。」 弁護側「死のうと思ったが死ねずに泣いたんですか。」 寺内被告「はい。」 弁護側「どのくらいの時間ですか。」 寺内被告「2時間か3時間くらい。」 弁護側「どういうことを考えましたか。被害者のこと?」 寺内被告「考えるっすね。ほんまにごめんていう気持ちですわ。」 弁護側「すぐに自首しなかった。」 寺内被告「はい。」 弁護側「河川敷で過ごした後、どうしましたか。」 寺内被告「コインランドリーに行った。」 弁護側「16日(事件当日)の夜、どこで寝ましたか。」 寺内被告「漫画喫茶です。」 弁護側「17日はどう行動した。」 寺内被告「お世話になった人としゃべって。」 弁護側「どうして会いに行った。」 寺内被告「それは言えません。」 弁護側「自首する前に別れを言おうとしたんですか。」 寺内被告「はい、犯行のことは言ってないですけど。」 弁護側「逮捕の前日(17日)はどこに泊まったんですか。」 寺内被告「コインランドリー。」 弁護側「18日は昼前に職務質問されましたね。その前はどこにいたんですか。」 寺内被告「後輩の店で後輩としゃべって、一緒に自首しましょうと(言われた)。」 弁護側「どんな話をしたんですか。」 寺内被告「人を刺したんですか、ニュースになってますよと言われました。」 弁護側「どう答えましたか。」 寺内被告「もう自首するしかないと。」 弁護側「18日の何時ごろですか。」 寺内被告「朝6時か7時くらい。」 弁護側「その足でどうして自首しなかったんですか。」 寺内被告「夜にしようと、後輩が。一緒に自首しましょうと。」
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