【記者のベストレース2024】オーギュストロダン参戦!新時代到来を告げたジャパンC/荒井敏彦
荒井敏彦【ジャパンC・オーギュストロダン】
記事タイトルにふさわしくない内容で恐縮だが、今年の日本競馬を最も盛り上げてくれたのはオーギュストロダンのジャパンC参戦だと思っている。ディープインパクトのラストクロップとして英ダービー、BCターフなどGI6勝を引っ提げての来日。ここが引退レースにして、欧州チャンピオンの走りを堪能できた。それだけでも十分だが、期待をよそに8着。レース後にふと頭をよぎった。オーギュストロダンとて勝てないのが今のジャパンC…という事実は、日本馬がまだ凱旋門賞を勝てていない事実と重なる部分が多いのではなかろうか。コース適性、馬場状態など簡単に片づけられてしまうが、エイダン・オブライエン調教師が本気でジャパンCをターゲットにしてきた意味合いはとても深い。 そしてレース後の引退お披露目イベント。JRAは素晴らしい計らいともてなしだった。あのシーンを見た海外メディアが日本を改めてリスペクトするのは間違いなく、来年はさらなる強豪馬が来日してくるだろう。当然ではあるが、ドバイミーティングや香港国際競走で勝つのが難しいことを今年ほど痛感したことはない。日本馬が凱旋門賞を勝つのが先か、それとも海外馬がジャパンCを勝つのが先か。2025年、新時代への突入を予感させるジャパンCだったのではないだろうか。
荒井 敏彦